第三章
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「あの屋敷はのう」
「何かがあることは間違いないですね」
「だからぜよ」
「中に入って調べることはですね」
「するぜよ」
「では今夜に」
「そうするぜよ」
こう話してだ、二人は屋敷に入ること自体はすることにした。そしてだった。
夜になって屋敷に入るとすぐだった。
誰もいない古ぼけた日本の庄屋のそれを思わせる屋敷の中は荒れて畳は灯りを照らすと随分と古くなっていてだった。
天井もボロボロで庭も手入れされておらず草がぼうぼうに生い茂っていた。その屋敷の建物の中に入ると。
すぐに笑い声が聞こえてきた、すると織田はすぐに正岡に言った。
「あの」
「おう、これはのう」
「何といいますか」
「ありたきりじゃのう」
「そうですね」
「こんなことは何でもないぜよ」
正岡は至って平気な顔で述べた。
「今更ぜよ」
「本当にそうですね」
「それでじゃ、今度はじゃ」
正岡は織田と共に屋敷の中を進みつつ彼に言った、襖も古く屋敷の中全体が随分と埃っぽく月あかりに廃墟が照らし出されている。
「ラップ音ぜよ」
「これもですね」
「ほんま今更じゃのう」
「生ぬるい風も出てきましたね」
「変に生臭くてのう、この臭さはじゃ」
「夏の生ゴミの方が酷いですね」
織田から見てもそうだった。
「下水道で戦う時の肥喰らいや粘液獣なぞ」
「こんな甘い匂いじゃないぜよ」
「思い出したくない位で」
「あとヘドロにおるヘドロ蛸とかものう」
「酷いですよね」
「そうしたモンスターと比べると何でもないぜよ」
実際にそう思っている正岡だった。
「匂いものう」
「そうですね、今度は何処からか悲鳴が」
つんざく様なそれが聞こえてきた。
「これもですね」
「定番じゃのう」
「古典的な、今度は」
見れば目の前にだった。
雪隠を開けると青白く細長いくねくねした尻尾の様なものがついている丸い人魂が飛んできた、織田はその人魂を見て今度はこんなことを言った。
「この手の人魂を見て前から思っていましたが」
「美味そうぜよ」
「そうなんですよね、天婦羅や唐揚げにすれば」
「フライもいいぜよ」
「美味しいでしょうね」
「水木しげる先生の漫画を見てもそうぜよ」
正岡は自分達が起きた世界のことで述べた。
「まっこと美味そうぜよ」
「機会があれば食べたいですね」
「そうぜよ」
「それに今度は」
庭の方に燃える火の玉が出ていた。
「火の玉ですか」
「おお、今度はそれじゃのう」
「これもまた定番ですね」
「お約束が続くぜよ」
「ですね、ここまでくると今度は」
「さて、幽霊さんじゃのう」
「ゴーストではなく」
種族の彼等ではなく魂が肉体から抜けた形でのだ、尚種族のゴーストの外見は人間族と同じもので
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