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こんなチートでもありですかい?そうですかい。
第28話。変人と混沌。
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ちし、心配してくれた様子のアルに、嬉しさからか、笑みが出る晋吾。

「グ・・・・これがアポストロスだと言うのか?足りぬ・・餌が・・・・餌が必要だ」

こちらを見ずに入口に向かう混沌。

「逃がすかよ。」

晋吾がそれを追いかけ、アルクェイドがそれに続き、志貴が慌てて後に続く。

しかし、獅子もどきが動き始める。

「晋吾!」

アルクェイドは晋吾を助けようと急ぐが、晋吾は見えていた。

前足の爪で切りかかれた晋吾は、バックステップでそれをかわし、自らの左足でその足を蹴りつける。

崩れた所に右足で獅子の足を踏みぬき、さらに脳天にバットを振り下ろす。

流石にこれ以上は耐えられないのか潰れて消えていく獅子。

時間稼ぎには十分だったのか、すでにネロの姿は見えない。逃げられたのだ。

「ちぃ、逃げられたわ。」
「しかし、流石ね晋吾。混沌とやりあえるなんて。」

君が来るまで『圧倒的』だったとは言わない。彼女が俺のことを本当に心配してくれたのは分かる。

彼女は俺が強いことを知っているが、『強さ』を知らないのだ。

緊張が切れたのか、疲れたのか、しばらくして志貴が琴切れたように倒れる。

死ぬなよ主人公!と一瞬焦った晋吾であったが、寝息が聞こえたので、ビビらせやがって!っと殴りたい気持ちを一生懸命我慢した。俺偉い。

しょうがないので俺が背負ってアルクェイドのマンションに運んだ。

アルと二人で歩いている中、ふと、空を見上げた。

月が見えた。太陽の光を受けて映る月が、今夜は自ら光を発しているかの如く、綺麗に輝いていた。
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