第28話。変人と混沌。
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スコートの勉強をせねばならぬな」
「なんでやねん」
にやりと笑うネロ・カオス。絵的にやばいだろ、190cmに近い教授と幼女神って。
「まぁ、できたらの話や。お前に喰えるか?宇宙そらを」
「フッ、喰ろうてみせるさ、宇宙そらよ。」
晋吾はバットを下段に構えて擦りよる。そしてキュッっという地面と靴のゴムがこすれる音とともに一気に距離を詰める。
ネロ・カオスの呼吸に合わせて動いた完璧な間の取り方であったが、彼は混沌。攻撃に呼吸なぞ関係ない。
足から洩れるように獣が晋吾に襲いかかる。晋吾はバットを上に跳ね上げ、獣を一撃で消し、返し刃でネロを狙う。
左の肩口目掛けて振られたバットをネロは何か分からない生物なまものを生み出し、防ぐ。
防ぐと言ってもその生物は醜く潰れ、気味が悪い断末魔をあげる。晋吾はそれを気にもせずに、右肩に蹴りを入れる。
「ガッ!」
蹴りと言っても何かが爆発したかのような音を立て、大きなネロの体が吹っ飛ぶ。
飛んだ先に回り込んで、晋吾の左打席。ブシィイ!と空気を切り裂く音と共に脇腹にバットがめり込む音が聞こえる。
混沌の体に打ち込んだバットから伝わる感触は違和感。骨や肉の感触ではなく、固い何か。
ネロの顔は苦痛に歪んでいるが、背から生まれる無数の顔と爪のナニカ。
「ァアアア!!」
「ちぃいい!」
放り投げるようにバットを手放し、右拳で側部を殴りつけるが、左肩に当ってしまう。
魔力硬化をつきぬけて傷を付けるまでは行かなくも、その衝撃は十分な痛みを与える。
晋吾は痛みに顔をしかめるが、当たったその勢いのまま体を左回りに回転させ、左の順手でネロの腹にめり込んだバットを掴む。
ネロ・カオスは転がる様に地面に叩きつけられるが、柔道の受け身の如く立ちあがり、腹から2mはありそうな大きな獅子の様なものを生みだす。
晋吾はそのままバットを左の腰だめに構えて、右手でバットをしっかり握る。獅子もどきは咆哮をあげながら牙をむける。
「カァッ!」
晋吾は気合と共に息を吐き。
「エイヤァアアアアア!」
居合一閃
獅子もどきは消えはしなかったが、はじき返され、口元はぼろぼろであった。
「ハァアアアアアア」
呼吸を整えるとともにバットを両手で上段の構えを取る。
深く吐く息を切り、息を止め、奥歯を噛み締め、右足の親指に力を込めたところで・・・・
「晋吾!!」
「ッ!」
『姫』の声が聞こえた。
振り向くと焦った様子のアルクェイドと所々傷が見え、ナイフを手に持った志貴がいた。
押せ押せの状況に水を刺されたことに心の中で舌打
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