File1−裏デュエルコロシアム
ターン1 古生代不知火流、参る
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あっても発動できる。やろうと思えば、どれかを破壊することも可能だ。
だが、迷った末に彼女はその判断を先送りにした。まだ、あの強盗の手札は2枚ある。それを見極めてから、あるいは無視できないほどのモンスターが出てきた段階でこの効果は使えばよい。そう決めた彼女の判断を、いったい誰が責められるだろうか。だがこの日この時この状況に限り、彼女の判断は間違いない悪手であったのだ。
「そして俺の切り札、超融合を発動!手札1枚、このメタルフォーゼ・ゴルドライバーをコストに、場のモンスター3体全部使ってチェーン禁止の融合だ!」
「くっ……!」
圧倒的優位を強引にひっくり返したことで、険しい顔の糸巻とは対照的に強盗の表情がパッと明るくなる。同時に、街灯すらもまばらな路地裏が明るいオレンジ色の炎に照らされた。3体のモンスターが先ほどよりも強大な渦に巻き込まれ、1つのモンスターへと変異していく。
「赤熱の奇跡呼び覚ます枢機よ、この世全てを緋色に染めちまえ!融合召喚、メタルフォーゼ・カーディナル!」
それはもはやバイクや車というよりも、2足歩行し人が乗って操るパワードスーツのような姿だった。大きく開いた上部ハッチからはヘルメットとライダースーツで全身を覆う搭乗者の姿が見え、かつてはタイヤを備え地を駆けていたのであろう両手両足からはエネルギー源でもある無尽蔵な赤熱の炎が吹き上がる。両腕がそれぞれ握りしめる炎の刃がその熱量で空気を揺らし、赤熱の軌跡が後に続いた。
メタルフォーゼ・カーディナル 攻3000
「行けえ、バトルだ!メタルフォーゼ・カーディナルで攻撃!」
「2回も伏せカードを気にしないで突っ込んでくる根性は誉めてやるが、まだ温い!トラップ発動、バージェストマ・ハルキゲニア!このカードでカーディナルの攻守はこのターンの間半減するが、それだけじゃ終わらないさね。チェーンして墓地からバージェストマ・マーレラをモンスター化して蘇生する」
地中から姿を現した次なるバージェストマは、全体的に緑がかった色をした背骨を軸に海中を自在に動き回るための葉のようなヒレと無数の細長い節足を持つ平べったい生き物。
メタルフォーゼ・カーディナル 攻3000→1500 守3000→1500
バージェストマ・マーレラ 守0
「させるか!速攻魔法、エネミーコントローラー!このカードの効果で、その気持ち悪いなんかには攻撃表示になってもらう。そのままカーディナルで攻撃だ!」
巨大なゲームコントローラーからケーブルが伸び、マーレラに接続されたそれが何らかのコマンドを送り込むことで強制的にその姿勢を変えさせる。無理矢理臨戦態勢を取らされたマーレラに、やや勢いを減じたとはいえまだまだ燃え上がる炎の刃が深々と食い込んだ。
メタルフォーゼ
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