File1−裏デュエルコロシアム
ターン1 古生代不知火流、参る
[8/14]
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
らけの外骨格に隙なく包まれ、両腕は鋭い鎌のようにカーブした巨大な鋏がわきわきと生物的にうごめいている。頭部の2つの球体はそのまま全方位を一度に見渡し獲物を探す巨大な目であり、ガラス体がその内側から放つ光にはかすかな知性の色と捕食者の冷徹さが垣間見えた。
「戦場呑み込む妖の海よ、太古の覇者の記憶を覚ませ!エクシーズ召喚、バージェストマ・アノマロカリス!」
☆2+☆2+☆2=★2
バージェストマ・アノマロカリス 攻2400
「効果モンスターを出したな!ならこの瞬間に、俺のアルカエストの効果を発動!相手ターンに1度、効果モンスター1体を装備カードとして吸収しその攻撃力を守備力に加える!」
アルカエストが杖を掲げると、先端のタイヤがより一層高速回転を始める。回転はさらなるエネルギーを生み、杖から夜空を裂く赤い光線がアノマロカリスめがけ放たれた。
だが、糸巻の目に焦りの色はない。それどころか余裕の表情でそれを眺めていると、アノマロカリスが腕の鋏を無造作に一振りし怪光線を横の壁に弾き飛ばした。
「残念だったな。アノマロカリスはモンスターの効果を受け付けない、よってその効果は不発だ……ってうわっ、これお前が弁償しろよ?」
アノマロカリスが弾き飛ばした光線の着弾点。そこにかすかについてしまった焦げ跡が目に入り、彼女の表情からさっと余裕が消えた。壁のペンキ代は絶対に何があってもこのチンピラに払わせるという決意こそ抱いたものの、結局彼女が書かねばならない要提出の始末書が1枚増えたことに変わりはないからだ。
だが彼女にとってはそれなりに大きな問題も、強盗にとってはその怒りを逆なでするだけに終わってしまう。
「ふざけやがって、ちょっと効果を無効にしたからってなあ……!」
「あん?黙れ馬鹿!アノマロカリスの効果発動!自身のオーバーレイ・ユニット1つをコストに、カード1枚を破壊する!アタシが選ぶのは当然、フルメタルフォーゼ・アルカエストだ!」
もはや当初の飄々とした態度はどこかに消え去り、完全にヒートアップした彼女が始末書への怒りを込めて吐き捨てるように宣言すると、アノマロカリスの周囲を回る3つの光球のうち1つが軌道を変えてその口元へと消えた。すると両手の鋏をクロスさせたアノマロカリスが、そこからお返しとばかりに青い光線を放つ。耐性を持たないアルカエストにその衝撃が耐えきれるはずもなく、あっけなくその場に崩れ落ちる。
強盗の場に、もはやその身を守ってくれるモンスターはいない。捕食者の冷たい瞳が青く輝き、何者も遮ることのないその一本道を大量の節足をワキワキと動かし意外なほど素早く滑らかな動きで迫る。
「ひ、ひいっ!」
「まあなんだ、悪く思いなさんな。アノマロカリスでダイレクトアタ
[1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ