File1−裏デュエルコロシアム
ターン1 古生代不知火流、参る
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の効果を発動。自分フィールドのアンデット族1体をリリースすることで、デッキから守備力0のアンデット族チューナー1体を特殊召喚できる」
「させるかよお!この瞬間、手札から灰流うららの効果を発動!デッキからモンスターを特殊召喚する効果は、これを捨てることで無効にできる!や、やったぜ!」
山伏の炎が、突如あたりに舞い散った花吹雪にかき消されて消えていく。貴重な召喚権とリクルーター、そしてデッキエンジンを1度にカウンターされ、小さく舌打ちする糸巻。
「ならアタシは、手札を3枚伏せてターンエンドだ」
「へへへ、俺のターンだ!俺はライトPゾーンにスケール1のメタルフォーゼ・シルバード、レフトPゾーンにスケール8のメタルフォーゼ・スティエレンをセッティング!」
「ほぅ、ペンデュラムか」
ちらりと伏せカードのうち1枚に目を落とし……結局、その後の行動を黙って見守る糸巻。そのわずかな動きにまるで気づかない強盗が2枚のカードをデュエルディスクの両端にそれぞれ表側で発動すると、ソリッドビジョンでもそれぞれ1体ずつのモンスターを内包した青い光の柱がフィールドの両端に現れる。それぞれの光の柱にはモンスターの下に独特な字体で「1」、「8」とそれぞれ刻まれていた。
「これで俺は、レベル2から7のモンスターが同時に召喚可能だ。赤熱の軌跡描き駆け抜けろ、ペンデュラム召喚!行くぜ、メタルフォーゼ共!」
光の柱に挟まれた空間の上部に穴が開き、そこから2筋の光が地面に落ちる。光はそれぞれバイクに乗った2体の人型モンスターとして、騎乗状態のままフィールドに降り立った。
メタルフォーゼ・ゴルドライバー 攻1900
メタルフォーゼ・シルバード 攻1700
「オラオラオラ、バトルだ!行けゴルドライバー、シルバード!」
主人の指示に従い、男女のライダーが赤熱の軌道を後に引き距離を詰める。咄嗟に体の前で両腕をクロスさせることで突撃に備える彼女に、2度の衝撃が襲い掛かる。携帯式「BV」が未完成品の劣化コピーならば妨害電波発生装置もまた不完全な代物、実体化による周辺被害こそ辛うじて打ち消せても物理ダメージの全てを幻影に帰すことはできない。それだけ「BV」のシステムはオーパーツ的産物であり、偶然に偶然が重なり生み出されたそれは未完の状態であってなお人類の手には余る代物だった。
そして、だからこそ日頃からマスコミにデュエルマッスル、などと揶揄されようとも日常的に体を鍛え高い身体能力、及び精神力を持つことが常識となっていたプロデュエリストにこの仕事という白羽の矢、彼女に言わせると貧乏くじが回ってきたのだ。今回もライフの大半をごっそり持っていくほどの激しい連撃を前に、その場で膝をつくこともなく彼女の肉体は耐えきってみせた。
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