File1−裏デュエルコロシアム
ターン1 古生代不知火流、参る
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ングのド三下ばっっかり相手させやがって、そのくせカードだけは一丁前にレアカード用意しやがるから一層性質が悪い!チンピラならチンピラらしく大人しく逃げ帰ってもっと骨のある奴連れてこい!……はぁー」
一息にまくしたてるだけまくしたて、ようやく積もり積もった不満由来の怒りの嵐もピークを過ぎたらしい。先ほどこぼれ落ちた吸殻を、さらにぐりぐりと靴の底で念入りに踏みつぶす。
「アタシらも慈善事業やってんじゃないんだよ……」
うってかわって弱々しい、諦めたような声音で最後にそれだけ小さく呟く。常人には決して理解できない感情ではあるが、強者との闘争こそがその本質であり存在意義であり、強制的にその生活を奪われた彼女にとってそれはまぎれもない本音の言葉だった。
「はぁ……もういいや、アタシのターンな。考えてみりゃ、お前に言ったところでどうにもならないもんな」
心底つまらなさそうな表情と態度のままに、カードを引く。引いたそのカードを一瞥すらせず、流れるような動きでそのままデュエルディスクに置いた。
「不知火の物部。このカードは召喚時に、デッキから妖刀−不知火と名の付くモンスターを特殊召喚できる。ただしこのターン、アタシはアンデット族しか展開できない」
薙刀を手にした和装の少女が手にした得物をひと振りすると、その刃を包み込むようにしてこの世ならざる妖の焔が灯る。そして1本の妖刀が、天から飛来して音もなく地面に突き刺さった。その段階でようやくこの手のモンスターは道路にいちいち穴が開いて修繕費がかさむから控えてくれと請求書片手に半泣きで訴えてきた部下の顔を思い出したが、もうやってしまったものは止められない。
不知火の物部 攻1500
逢魔の妖刀−不知火 攻800
「レベル4の物部に、レベル3の逢魔の妖刀をチューニング。戦場貪る妖の龍よ、屍闘の果てに百鬼を喰らえ。シンクロ召喚……真紅眼の不屍竜。そしてこいつの攻守は、互いの場と墓地すべてに存在するアンデットの数だけアップする」
「な……な……」
無数の死霊を従える、争乱極まりしアンデットワールドの首領。かつて誇り高き空を飛ぶ龍であったのだろうその体は、すでに地に堕ちて長い。鱗の隙間から覗き見える腐肉はもはや紫色に染まりきり、生前瞳のあった場所からはとうに腐りきった目玉に代わり鬼火の紅が風に吹かれてもいないのに揺らめきを放つ。そしてその死に絶えたはずの体を動かすエネルギーの源が、全身から常に漏れ出てなお余りあるあの強大な瘴気だった。
真紅眼の不屍竜 攻2400→2900 守2000→2400
「は、ははは!なんだ偉そうに、そんなものいくら出したってカーディナルの方が強いぜ!」
「ア
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