暁 〜小説投稿サイト〜
魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
番外編 おかしな第一魔法刑務所
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ノが落ちる。血だ。
「愛してる。このまま、一緒にここに居よう? わたしだけのレン」
怖いんですけど。
琴葉が怖いんですけど。
「レン、ほら。キミが愛してくれないから、たくさん傷をつくっちゃった」
巻かれていた包帯は解け、間から隙間もなく開いた傷が覗いている。
普通に怖い!!
「えへへ、レンが止めてくれないからだよ? レンは私が傷付いても良いの?」
怖い怖い怖い!!
「ねぇ、返事してよ。ねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇねぇ」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。
「私は愛してあげているのに、如何為てレンは私を愛してくれないの?」
反応したいが……反応しにくい。
「レンは私が嫌いなの? ねぇ、反応してよ。起きてるんでしょ? ねぇ、ねぇ!!」
「……俺は、琴葉のこと、好きだよ」
別に、寝ているフリをしていた訳ではないのだ。
答えてもいいかなと思った。
「―――だったら、それを証明して」
琴葉が俺の背中に腕を回す。
「ねぇ、私を愛して?」
俺をベッドに押し倒し、琴葉は自分の服に手を掛ける。
「愛してる。レン」
―――どうやら、ここで俺はひとつ大人になってしまうらしい。
◆ レンの後日 ◆
琴葉「おーい、起床ー! 点呼を取るぞー」
904「…………ふぁ〜あ。おはよー、琴葉ちゃぁん」
4「オイ、服を掴むな。看守」
響「あー、何で俺はここに呼ばれたんだっつーの」
冬也「煩いぞ。静かにしていろ」
雅人「てか、何で呼ばれたんだっけな」
琴葉「私呼んでない。要じゃね?」
要「あ! おっはよーございまーす!! 主任看守のお二人とメイドくんと囚人二人と琴葉ー!」
琴葉「オイ何故私を主任看守に混ぜなかったのか聞こうじゃないか」
要「それより、昨日と一昨日は大丈夫でしたかー? ムショの中で、貴方達六人が特にヤバかったらしいっすよー?」
冬也「? 如何言うことだ? それは」
響「なにかおかしかったか?」
904「と言うか、昨日と一昨日のこと覚えて無いんだけど」
4「ぼんやりとなら覚えてるけどな」
琴葉「何したんだっけーここ二日間。朝起きたらすっごく腰が痛かったんだけど」
雅人「歳じゃね?」
琴葉「んだとゴラアア!!」
904「ホントに、何してたんだっけー……って、レンは何でそんなガタガタしてんの? ハクも」
100「え……あ、あの…………琴葉さん、大丈夫ですか? その…………体調とか……あの…………その……」
琴葉「ん? 私は普通だけど」
100「ちょっと来てくれませんか……」
89「あ、グレースくんとか、シンくんとか、メイドさんとか、看守さんとかも……」
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