第26話 激戦開幕!喧嘩相手は未来からやってきた その2
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ていた。
「はいはい、悪いけど俺無暗に喧嘩するほど血の気が多い訳じゃないから」
そう言って不良の拳を軽く逸らしてそのまま不良達の間を歩き、近くのテーブルへと腰かける。
「ん? 何だこのテーブル!? 真ん中にゲーム画面がある」
「え? 普通喫茶店ってそうじゃないの?」
「マジっすか!? しかもこれスペースイノベーダーじゃん! 超懐かしい!」
「懐かしい? それ出たのつい最近だけど?」
首を傾げる美智を他所に力は迷うことなく小銭を投入しゲームをやり始める。
当然、不良達はガン無視のままで。
「こ、このもやし野郎! もう勘弁できねぇ!」
「待て! こいつ、すげぇゲームテクだぞ!」
「本当だ! しかも裏テクと噂されてるあの名古屋打ちやレインボー打ちを軽々とやってやがる!」
さっきまでの沸点は何処へやら。不良達もすっかり力のゲームプレイに夢中になっていた。
そんな視線など気にする事もなく力は楽々画面内のエイリアン達を蹴散らしていく。
「凄いね力君。結構やりこんでたの?」
「まぁ、似た様な事を何時もやってるからさ。エイリアン退治ならお手の物ってね」
現実でエイリアン退治を生業(?)としている力にとって空想のエイリアン退治など鼻歌交じりに行えて当然の所業と言えた。
不良達や美智の見ている画面で次々と屍を晒していくエイリアン軍。何だか逆にエイリアン軍の方が可哀そうに思えてしまうのはプレイしているのが力だからなのだろうか。
もしそうだったら今回は挑んだ相手が悪かったと諦めて貰うしかない。
入口の扉が開かれた。また誰かが来店したのだろう。
不良達の視線が来店者へと向けられる。
「おぅ、真昼間から色気がねぇなぁクソガキ共。どうせサボるんだったら女の5人や6人位侍らせておけやぁ」
間延びしただらけた感じの声でそんな事を言ってきたのはこれまたすっかり年期の入ったコートを羽織った中年の男性だった。
瞼は半分降りてて少し眠そうな感じをしている。だが、そんな中年男性を見た不良達の態度がガラリと変化をしたのはこの時だった。
「あ、駒木さん!」
「「ちゃっす! 駒木さん」」
「止せ止せ。俺は不良じゃねぇんだ。それよりも、腹減ったから何か食わせて・・・うん?」
ふと、駒木の視線が力に向けられる。力もまた、駒木の視線に気づき振り向く。そして驚きの余り椅子から転げ落ちだす。
「げげぇっ! さ、佐津田のおっちゃん!? 随分老けたなぁ」
「誰だよ佐津田って? にしても・・・お前ここらへんじゃ見ねぇ顔だな。他所から来た旅行者か?」
顎に手を当てながら力の事を眺める駒木。一方で、力にとっては元居た時代で散々自分の事を追い掛け回した刑事にどことなく似ているこの男に
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