プロローグ
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ンは何だかんだで壊滅的な家事以外はそつなくこなす人物で、不器用なところがある大輔はジュンと比べられることがそれなりにあった。
ジュンを良く知る人物は殆ど卒業したので今はそうではないが。
「もし俺達が早く出会えていればもしかしたら何か変わったんじゃないかなって…あ、いや、でも、あいつが太一さんのアグモンを操ったりキメラモンを造ってあんなことをしたのは許せないぜ?」
慌てて言う大輔にヒカリは分かっていると言うように頷いた。
「うん、分かってる。大輔君は…優しいね。私はまだ一乗寺賢君を許そうと思ったことない。沢山のデジモンを、みんなを傷付けて、キメラモンのようなデジモンを造った…彼を」
キメラモン
デジモンカイザーが数々のデジモンのデータを組み上げて造り上げた完全体とは思えない程の脅威を振るった人造デジモン。
あの悪魔のようなデジモンは目の前の大輔とチビモンが倒してくれた。
デジモンカイザーとしての力とパートナーデジモンを失って、砂漠を去っていく賢の後ろ姿を見て、自分を含めた殆どの仲間が怒りにも似た感情を抑えられなかったと言うのに大輔は心配そうに賢の後ろ姿を見つめながら叫んでいた。
『………お前、家に帰れ…。お前のことを心配して、待ってる人がいるんだ!帰れよー!!』
大輔のこの言葉を聞いた時にヒカリは何となくだが悟った。
大輔は自分達や兄の太一達が倒すべき敵としてしか見ていなかったデジモンカイザーを同じ選ばれし子供として人間として見ていたことに。
賢が罪を償いたいと言ってきた時は恐らく、明るく笑いながら共に戦う仲間として暖かく受け入れるのだろう。
意識して優しくあろうとする自分とは違い、大輔はまるで呼吸するように人に優しく出来る。
人を受け入れて優しさを与えてばかりの大輔にはそれが当たり前で、それによってどんなに自分が不利な立場であろうと、そんな状況を覆す心の強さもちゃんと持っている。
タケルはその優しさを付け込まれたりして命取りになるんじゃないかと危惧していたが、その優しさや真っ直ぐさがあったからこそあのような奇跡を起こせたのだと思う。
マグナモン
ブイモンがあの黄金のデジメンタルでアーマー進化した聖騎士型のアーマー体デジモン。
その美しい黄金の輝きはキメラモンやデジモンカイザーの闇すら消し去ってしまった。
あれは大輔だからこそ起こせた奇跡なのだとヒカリは思う。
誰もが諦めかけた時、大輔だけは諦めなかった。
希望を見失わず、勇気と友情を力にして危険を省みずに突き進んだ。
そんな彼だからこそ、他人の紋章をまるで自分の紋章のように使うかのような奇跡を起こせた。
自分どころか兄の太一やヤマト、タケルにも起こせない奇跡を…。
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