機動戦士ガンダム
2268話
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に銃という存在が一般化してきた時期には、トリガーを引くだけで人を殺すというのに実感がない者が多かったらしい。
そして時代が更に流れると、数km先からでも射撃出来る狙撃銃のような物すら登場してくる。
狙撃銃を使っての狙撃は、更に人を殺すという実感を奪う事になる。
……勿論、それはあくまでもそういう傾向にあるというだけで、それこそ個人によってその辺は大きく変わってくるのだが。
ともあれ、殺す対象を直接見る銃ですらそんな感じなのだから、MSに乗って相手の顔を直接見る事がなくなった戦いである以上、そこに人を殺した実感を感じるのは難しい。
俺とシャアがやったように近接戦闘の場合なら、接触回線によって相手の断末魔を聞こえたりといった事もあるんだろうが……
「イザークさん! 無事でしたか!?」
俺とアムロが話していると、不意にそんな声が聞こえてくる。
声の聞こえてきた方に視線を向けると、そこにいたのはメリル。
ああ、そう言えば俺がブリッジに呼ばれてから、メリルとは会ってなかったな。
ブリッジからは、直接出撃準備をする為に格納庫にやって来たし。
だとすれば、メリルが俺を心配してもおかしくはないのか。
俺が死ぬ可能性がないと知っていても、メリルの場合はあくまでも知識でそう知ってるだけだ。
実感としてその辺を知っている訳ではない以上、この反応もおかしくはない。
「ああ、心配するな。MSも特に被害を受けていない。……もっとも、アムロと違って敵を撃破する事は出来なかったが」
「……皮肉ですか、それ」
俺とメリルの会話に、アムロが不満そうにそう言ってくる。
メリルもアムロとの面識こそないが、当然のようにその顔は知っている。
アムロの様子を観察させ、可能ならルナ・ジオンに引き込むというのと担当していたのだから、当然だろうが。
「イザークさんがシャアを引き付けておいてくれたから、僕はあのザクを倒す事が出来たんですよ。もしシャアが相手なら……恐らく、負けてました」
「そうか? シャアの能力を思えば、勝つ事は難しかっただろうけど、引き分けに持ち込む事は出来たと思うぞ。……ガンダムの性能あってこその話だが」
実際問題、ザクが相手では例えS型であってもガンダムを撃破するというのは難しい。
ザクバズーカやヒートホークならダメージを与えられるかもしれないが、前者は砲弾の速度が遅いので回避されやすく、ミノフスキー粒子下では撃ちっ放しにしか出来ない。
そして後者は、それこそ宇宙では敵との間合いを詰めるのが難しい。
やはりザクにとって一番使いやすい武器はザクマシンガンなんだろうが、肝心のそのザクマシンガンは、ルナ・チタニウムの装甲を持つガンダムには無意味だ。
その辺りの諸々を考えれば、アムロが
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