第T話 赤は戸惑い紅葉は笑う
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引かれる。
人との付き合い方が分からない僕は、マイナスなことばかり考える。
すると、泡のついた皿を水で流していたモミジさんが口を開いた。
「ねえ、レッドさん」
「……?」
「レッドさんさえよかったら、また来ていいよ」
皿を洗う手が止まった。バッと勢いよくモミジさんの方を向く。
それは願ってもない言葉だったから。
「……いいの?」
「いいよ。僕、まだ君と沢山お話したいし。あと、暇だし」
それは、僕も同じだ。
「…これたら、来る」
「ん。楽しみにしてる」
モミジさんは心から嬉しそうに、微笑んだ。
この人は、よく笑う人だ。話している最中も僕はそう思った。
優しさと温かさと慈悲のこもった、不思議と人を引き寄せる笑顔。お前はもう少し笑えと、そう言われる僕と大違い。
この人ともっと話がしたい。旅の話、ポケモンの話とか、色々。
あと__この人の笑顔を、また見たい。だから、また明日こよう。
洗い終わった皿を拭きながら、僕はそんなことを思っていた。
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