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山奥の一家
第六章
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「そうじゃな」
「そこまでわかっているなら話が早い」
「そうとも、我等は人食いの魔物」
「その一家なのよ」
 三人の姿がここで変わった、みるみるうちに全身に黒い毛が生え目が赤く光りだした。井伏はそのおぞましい姿を見て言った。
「ガチの人食いじゃったのう」
「ああ、マンイーターじゃ」
 山本もその姿を見て述べた。
「それじゃったか」
「何のことはなかったのう」
「一家全員人食いモンスターじゃった」
「コカトリス達を使ってこの家に来た旅人や冒険者を石にして保存してた」
「石にしてたら腐らんからのう」
「食いものの保存としてはええのう」
「そうだよ」
 老婆だったマンイーターが答えた。
「察しがいいねえ」
「これ位の察しはつくと言うたのう」
 井伏はマンイーターに落ち着いた声で答えた。
「わし等もアホじゃないつもりじゃ」
「だからだっていうんだね」
「そうじゃ、そしてじゃ」
 井伏は山本と共にか前に入りつつさらに言った。
「こんな等退治してじゃ」
「食われたり石化してる人等救い出すけえのう」
 山本も言ってきた、槍を前に突き出して一家を指し示して。
「覚悟せえ」
「今から成敗したる」
「ふん、食ってやるよ」
「覚悟するのはそちらだ」
「私達を甘く見ないでしょ」 
 マンイーター達は二人に言われても悪びれなかった、そしてだった。
 井伏と山本に一斉に襲い掛かってきた、鋭い爪と牙を繰り出そうとする。だが。
 井伏は嵐の様に両手から張り手を出して老婆のマンイーターを吹き飛ばした、マンイーターは壁にまで吹き飛ばされそこでこと切れた。
 山本は自分に向かってくる老人のマンイーターの眉間に槍を突き出した、すると槍は眉間を貫き脳まで達してモンスターを倒した。
 娘のマンイーターは跳んで急降下して井伏に襲い掛かる、だが。
 井伏はそのマンイーターの頭を掴んで思い切り床に投げつけた、モンスターはそのダメージで一撃で倒された。
 戦闘は一瞬で終わった、井伏は金に変わったモンスター達を見て言った。
「終わったのう」
「ああ、敵ではなかったわ」
「わし等倒したいならじゃ」
「この程度じゃ相手にもならんわ」
 二人は悠然として言った、そしてだった。
 金を拾った後で納屋に行って石化されていた者達を自分達の術で元に戻し食われた者達はその骨に復活の術をかけてだった。
 救い出した、彼等は二人に心から礼を言うとまずは麓の村に向かった。そこからそれぞれの道に向かう為に。
 全てを終えた井伏と山本もまずは村に戻ろうとした、しかし。
 ここでだ、井伏の手にあるものが出て来た。それはというと。
「綱か」
「横綱の綱じゃな」
 山本もその綱を見て言った。
「それがこんなの新しい神具か」
「持ってるだけで力
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