第二章
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「だからね」
「そうか、じゃあ頼むわ」
「どうぞだよ」
こう言って二人を家に入れた、すると老婆と同じ位の年齢のオーガの男とまだ小さい娘がいた。二人は井伏達の挨拶を受けて自分達が旅の者だという説明を聞くと笑顔で言った。
「そうですか、それはまた大変で」
「今日は泊まっていってね」
「こんな場所だから人が少ないですから」
「お客さんは大歓迎だよ」
「そうか、それは何よりじゃ」
井伏は二人の笑顔での言葉を聞いて頷いた、四人で家のテーブルに座っているがそこで老婆が作ったシチューが出た。
そのシチューを食べてだ、井伏は言った。
「獣とこれは」
「山菜だよ」
老婆は井伏に笑顔で言った。
「この近所で採ったね」
「そうだな、それと茸だな」
「あたし達はここで樵をして暮らしているんだ」
「わしが木を切ってますじゃ」
老人が笑顔で言ってきた。
「そうしましたじゃ」
「それで暮らしとるんじゃな」
「そうです」
老人は井伏に笑顔で答えた、だが。
井伏も山本も実は山菜や茸に注目していなかった、注目していたのはもう一つのメインである肉だ。
それは熊の肉だった、だがその熊肉について二人は気付きそれで目で話しつつ一家に応えたのである。
だが老人はこのことに気付かず井伏に話した。
「この様にして」
「そうか、それでいつもか」
「そうして食べています」
「成程のう」
「獣も飼って」
「熊の肉もじゃな」
「婆さんが狩ってくれますじゃ」
「婆さんがか」
ここでだ、山本は老婆を見た。オーガ特有の大柄さだがこの熊を狩れるとは思えなかった。何故なら彼等が今食べているのはこの地域にいるグレートベアの肉だからだ、普通の熊よりも遥かに大きく並の者なら到底倒せないモンスターだからだ。
「そうしたんじゃな」
「はい、そうしてです」
「いつもこうした肉を食うとるか」
「左様です」
「わかったわ」
このことを聞いてだ、山本も井伏も今は黙ってシチューそれに他の食べものも食べた。そしてだった。
食後二人はベッドのある部屋に案内されてそこで休息に入ったが。
暗い部屋の中でだ、井伏はベッドの中から自分の隣のベッドの中にいる山本に対してこんなことを言った。
「わかったのう」
「おう、あの肉はグレードベアの肉でな」
「あの熊は冒険者でも中程度のパーティーが倒すもんじゃ」
「武器を持ってない婆さんが倒せる奴やないけえのう」
「しかもじゃ」
井伏はさらに言った。
「あの国独特の味じゃったのう」
「石化させてそこから戻したな」
「そんなもんじゃったな」
「あの婆さん石化の術使えるんか?」
「そんな気配ないぞ」
「術者でもない」
「ましてオーガにそんな力あるか」
相手を石化させるだけのものが
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