第一章
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山奥の一家
井伏秀幸と山本剛の二人の星達は今はアンデス、ペルーの山奥にいた、二人は自分達の試練を求めてここに来ていた。太平洋の星の者達は神託を受けて試練を受けそれを乗り越えて新たな神具を手に入れ成長する為に動いている。
アンデスの山奥は荒涼としている、木々は多いが人はおらず実に寂しい。
その山の中を二人で進みつつだ、井伏は山本に言った。
「これまで多くのモンスターを倒したがのう」
「ああ、よおさんな」
山本は自身の神具である日本号を右肩に担いで述べた。
「そうしてきたな」
「わし等じゃったら普通に出て来たモンスターは何でもない」
「ああ、問題はな」
「策を以て仕掛けてくる」
「そうしたモンスターじゃのう」
「モンスター言うても色々じゃ」
「中には狡賢い奴もおる」
井伏はこのことを指摘した。
「それこそ人に化けたりしててな」
「そしてじゃな」
「騙してじゃ」
そのうえでというのだ。
「後ろからとかな」
「そうして来る奴がおるな」
「そうした奴が厄介じゃ、そしてな」
それでとだ、井伏はまた言った。
「若しこんな山奥で民家でもあったら」
「普通は怪しいのう」
山本は真剣な顔で述べた。
「普通の樵や猟師の一家やとええが」
「大抵はそうじゃがのう」
「それでもじゃ」
「中には化けてる場合もある」
樵や狩人にというのだ。
「日本でもそうした話があるのう」
「山姥とかな、鬼女とかな」
「安達ケ原じゃ」
有名な安達ケ原の鬼婆だ、娘を誤って殺してしまった老婆が発狂して心が鬼になってしまった者が正体だという、実在したと言われていて老婆が使った包丁や鍋が残っていて和歌にもいるのかと問うたものが残っている。
「あれじゃ」
「おう、それでここでもな」
「そんな家がおって婆さんが一人でおったらな」
「どれだけ怪しいかのう」
「一家全員って場合もあるしな」
「気をつけていかんとあかんわ」
「全くじゃのう」
二人でこんな話をしつつ山の中を進んでいった、その間多くのモンスターを倒していた。そして夕暮れ過ぎの逢魔ヶ時になってだ。
二人は野宿をしようと話をしていたがふと目の前に一軒の木の家を見た、山本はその家を見て井伏に言った。
「昼に話したが」
「おう、山姥じゃな」
「それじゃ」
まさにと言うのだった。
「それが出てじゃ」
「そうしてじゃな」
「そしてじゃ」
それでと言うのだった。
「若しもの時はのう」
「おう、気をつけるか」
「そうしていくか」
二人はこう話してその一軒家の前まで行って扉を叩いた。
すると一人のオーガの老婆が出て来た、着ている服はペルーの民族衣装である。
一見すると温和そうだ、だが二人はすぐに内心警戒
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