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魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第15話 主任看守会議だよっ! 全員集合っ!!
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は"こっちゃん"と呼んでくるコイツは、三舎の主任看守・青藍(せいらん)海斗(かいと)


「黙れ愚者共。窓を破壊して侵入するなど、看守としてあってはならない。青藍については、壁を破壊してきたのだ。早く直せ」
「……くっそ正論過ぎてイラつくんですけど殴っていいねぇ殴って良いよね?」

 白い、程よく伸ばされた、クセ一つ無い髪に、ダークレッドの瞳。白い糸で彼岸花の刺繍が施された黒いマントを羽織ったそいつは、四舎の主任看守・神白(こうじろ)冬也(とうや)

「何だ、その恩を仇で返すような事は」

 メイド兄弟を預かって貰ったのは四舎である。理由としては、看守が負けなさそうで、一番遠かったのが四舎だったから。

「……まぁ、それは置いておいて、お前らどうして私を蹴った、轢いた、踏み付けた」

 すると橙条が、
「邪魔だったから」
 青藍が、
「そこに居たから」
 神白が、
「気付かなかった」
 と順に言っていった。

 勿論、思うことは"お前ら打っ殺す"の一つだけ。

 ……まぁ、会議に間に合っただけ良いとしよう。

「……ま、全員急いでたんでしょ。次は無いからね。会議は何時からなの?」

 私と橙条は窓を、青藍は壁をぶち破ってくるくらいなのだから、そろそろ始まってしまうのだろう。
 そう言えば、要に時間聞くの忘れたなぁと考えていると、


「あと四時間後だ」
「「「嘘だろ!?!?」」」


 神白が言ったところに、三人でツッコむ。

「はぁ!? 本当なのかよ!」
「嗚呼。御前等の場合、時間を聞かずに飛び出してきたのだろう。予想はしていたが」

「えー? こーちゃんマジで?」
「マジだ。一舎の副主任に言われたぞ」

「え、要から聞いてないんだけど」
「今頃、御前に呆れているだろうな……ん? 貴様等、如何かしたのか?」


 三人の主任看守には、「クソがぁあああああ」と叫ぶ気力さえ残っていなかった。


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