第6章:束の間の期間
第187話「抉られる心」
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は力を失ったの。さっき言ってた“他の理由”がこれよ。……今は一度幽世の大門が開いたのもあって、式姫はその力をほとんど取り戻しているけどね」
軽く説明を挟み、クロノ達にも理解できるようにする。
「あたし達からすれば、つい最近まで信じていなかった癖に、実在するとわかった途端に掌を返したように接してきているようなものなんだよ」
「……確かに、それは理不尽を感じるな」
ぞんざいな扱いからあっさり掌を返されるのは誰でも思う所はある。
クロノも想像できたのか、納得するように呟いた。
「……長ったらしく言ったけど、要は政府が自分勝手な事を考えたら見放すってだけの話よ。今回、管理局側がどんな選択を取っても、姿勢は変わらないわ」
「……そう……」
改めて椿と葵について考えさせられる事になったのだろう。
話が締め括られた後、優輝以外の全員が考え込むように黙り込んだ。
「………」
「…………」
「……うぅ……」
夕方。生放送があっても復興の支援はなくならない。
そして、会談の影響があったのか、一般人からの視線が変わっていた。
なのは達は山の整地をひと段落させ、街の避難生活の手伝いをしており、その視線に晒される事になった。
「……そんなに意識しない方がええよ」
「はやて……」
無論、全員が全員変わった訳ではない。
むしろ、変わったのはごく少数だ。
だが、会談で心を抉られた今、そのごく少数の批難する視線だけでも辛かった。
「……天巫女な分、思った以上に辛いね……」
「はやては比較的気にしてなさそうね」
司が気まずそうに呟き、アリサははやての様子を気にして尋ねる。
「……私の場合は、まだ車椅子やった時の視線で慣れてるのもあるんよ。……批難の視線も、闇の書関連でちょっとあったからなぁ……」
「はやて……」
皮肉にも経験が生きたと、はやては言う。
側にいたヴィータはそんな言葉を聞いて心配する。
「そんなあからさまに落ち込むな。あんた達は精一杯戦ったんだ。子供が何でもかんでも背負おうとしなくてもいいんだ」
「組織と言うモノは確かに連帯責任が生じます。ですが、貴女方はその上で最善を尽くそうと力を振るった。そこに何も恥じる事はありませんよ」
落ち込む面々を、蓮と山茶花が励ます。
「む……あたしは子供じゃねーよ」
「お、そうなのか?それは悪い」
なお、子供扱いされたヴィータが少し文句を言っていたが、それは余談である。
「……大方、マーリンの予想通りになったみたいね」
『陰陽師に連なる人達はともかく、管理局の人達はやっぱり責める視線になる……うん、ここまで予
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