第二十三話 東国入りその三
[8]前話 [2]次話
「だからな」
「降った家の所領はですな」
「実際に安堵し」
「そしてそのうえで」
「織田家に加えますな」
「そうする」
このことは絶対のことだというのだ。
「この話を今からじゃ」
「関東にしきりに流し」
「そうしてですな」
「多くの家が織田家に降る様にする」
「そうするのですな」
「そうじゃ、さすれば戦うよりもじゃ」
さらにというのだ。
「楽にことが進む」
「だからこそですな」
「今からその話をしきりに流し」
「我等が関東に入る頃には」
「多くの家が降る様にしますな」
「そういうことじゃ、ではよいな」
あらためて言う信長だった。
「この度はじゃ」
「今からですな」
「関東の国人や大名達にこの話を流し」
「そして降らせ」
「北条家以外の者達とはですな」
「戦わぬ様にしますか」
「そうじゃ」
その通りだという返事だった。
「若し戦うなら仕方がないがな」
「その時は仕方ないですな」
「戦ってそうしてですな」
「勝つ」
「それだけですな」
「そうじゃ、敵ならばな」
従わぬならというのだ。
「仕方ない、だからじゃ」
「わかり申した」
「それではですな」
「その用意もしつつ」
「関東に向かいますか」
「そうする、このことも噂として流すのじゃ」
関東の者達にというのだ。
「わかったな」
「この両方を流し」
「関東の武士達に選ばせる」
「そうしますか」
「うむ、しかし答えは出ていよう」
それはというのだ。
「あの者達にとってもな」
「最早当家の力は圧倒的」
「それならばですな」
「当家に従うしかない」
「それしかないですな」
「そうじゃ、最早それ以外ない」
まさにとだ、信長も言った。
「だからな」
「関東の大名や国人達もですな」
「その殆どが当家に従いますな」
「そうなることは間違いないですな」
「北条家に仕える者達以外はそうする」
絶対にというのだ。
「だからな」
「北条家を倒せばですな」
「関東は我等のものとなりますか」
「それはもう自然の流れ」
「左様ですな」
「そうじゃ、そして関東を手に入れれば」
その後のこともだ、信長は諸将に話した。
「一旦戦は終わりじゃ」
「この度の戦で手に入れた多くの国を治める」
「そうしますな」
「検地も行わねばなりませんし」
「刀狩りにしても」
「全て収める、そして天下統一の後の政の土台もじゃ」
それもというのだ。
「築く、それから天下統一の後はな」
「その後はですな」
「天下を治める仕組みを完全に築きますな」
「泰平の世を長く治める」
「そうしたものを築くのですな」
「そうする、しかし関東を手に入れるとな」
北条家を降してというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ