暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第16話 乙女たちの話し合い
[4/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
だ。偏見なども特になく、粘つくような視線もないので2人揃っていいお付き合いをさせてもらっている。

 ちなみにおじさんと言っているが、まだ30代前半と若い。

「んー……よし、大丈夫だよ」

「ありがとうございまーす。メニューは……いつものでお願いしますね」

「あいよ。じゃあしばらく待ってな。店混みだしたからな」

「はーい」

 店員が部屋を出た後、個室のドアが閉められると、そのタイミングを待ったかのようにフローラは向かい側に座ったセレシアと話し始めた。

「ねぇセレシア。どうして私とお出かけしたかったの?」

「とにかくお話したかったからかなぁ。ただのお話ならどこでも出来るけど、踏み入った話はそういうわけにはいかないじゃない?」

「うん、確かに」

 このご時世、どこから秘密が漏れるか分からない。それ故に秘密の話をする時は場所を選べとは2人が子供の頃から親に言われてきたことだ。言われたタイミングは別だとしても、2人はそれを今も守っている。学校のある日には屋上で会話をするのも、そのせいである。

「んでさ、率直に聞きたいこと聞くけど……フォンバレン家で何日か過ごしてて、楽しかった?」

「うん、楽しいよ。2人とも優しいから。夜寝られなくてフォンバレンくんに頼ったり、毎朝2人に起こされたりするけど」

「迷惑かけまくりじゃない。そんなんだと、いいお嫁さんにはなれないよー」

「うう……分かってはいるんだけど、どうしてもあと5分の誘惑に勝てなくて……」

 フローラが夜1人で寝られず、朝も中々起きられないことは当然セレシアもよく知っている。依頼の時は毎回セレシアが起こすことで事なきを得るのだが、どうやらフォンバレン家でもそれは変わらないらしい。

「まぁなんにせよ、楽しくやれてるならそれでいいかなー。元々心配してたのは寝起きのことだけだし、信頼できる相手に預けてるって話なわけだから」

「寝起きは……善処します」

「うん、頑張ってねー。目指せ毎日6時半起床」

「7時じゃ……ダメ?」

「難しいラインね」

 笑いながら他愛のないやり取りをするセレシアとフローラ。

 ちらりと時計に目を向けると、すでにそれなりに時間が経っていた。だがまだ料理は運ばれてはきていない。

「料理遅いねー。お昼時だからかな」

「私たちが入ってた時も割と混んでたからね。気長に待とうよ」

「そうね。もう少し話すことにしましょ。今んとこあたしばっか聞いてたけど、フローラからは何か聞きたいこととかあったりしないの?」

「うーん……そうだなぁ……」

 首を傾げて悩むフローラ。色々と悩んでいるのか、視線が色んな場所を向いている。

 その視線が再びセレシアに向いたのは、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ