暁 〜小説投稿サイト〜
ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第16話 乙女たちの話し合い
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訪を告げるベルが鳴り響いた。

「フローラ見てきてー」

「はーい」

 手が離せないらしい母親の代わりに、玄関を開けに行くフローラ。未だにパジャマ姿ではあるが、ドアから顔を覗かせるだけなら問題ない。

 玄関の扉を開けた隙間から顔を覗かせると、そこにはいつもの笑みを浮かべているセレシアの姿があった。

「おはよ、フローラ」

「う、うん。おはよう」

 いきなりの登場に、フローラは視覚情報をきちんと処理できずに目をぱちくりさせていた。その原因であるセレシアは、フローラのその様子が少しおかしかったのか、少し噴き出し、その後にしゃべり始めていた。

「その感じだと、今起きたとこみたいね」

「うん、そうだよ。今日はどうしたの?」

「今日は一緒に街までおでかけしたいなぁ……ってことで呼びに来た」

「いいけど、私起きたばかりでパジャマだし、準備なんて全然出来てないよ? 朝ご飯だって、今さっき食べ終わったところだし……」

「んじゃあ今からしよっかー。お母さんフローラ借りまぁーす! てか突撃おめかししまぁーす!」

「えぇ……?」

 にっこり笑顔とその場の勢いのまま、自宅に上がるセレシア。そんなセレシアの行動をこの家では誰も突っ込まないのがもはや暗黙の了解レベルのことであり、フローラも戸惑いこそすれど勢いに逆らうことはしなかった。

 そして、今は自室のドレッサーの前に座っている。背後にはもちろん、押しかけてきたセレシアの姿。

「さぁて、おめかし始めるよ?」

「ちなみに拒否権は……」

「うーん……ないかな」

「だよね。お願いします」

「うん、任せて」

 拒否権がどうこうと口では言ったが、フローラはセレシアにこうしておめかししてもらうことは好きである。いざ自分でやろうとすると大変で、してもらった方が楽だ、ということもあるが、個人的にこの空間とやりとりが落ち着けるのだ。

「こうして髪梳くの、楽しいんだよねー。フローラの髪って微妙に癖ついてるのにサラサラしてるから引っかかりも少ないしさー」

「そうかな? セレシアも十分サラサラだと思うけど」

「まぁそーだけどさ。フローラには敵わないかなー? 羨ましいなー」

 フローラを褒めながら慣れた手つきで髪を梳かしていくセレシア。セミロングヘアに若干ウェーブがかかっているその髪を、一切のトラブルなしに整えていく。

 数分後には、寝起き感満載だったフローラの髪型は外出可能なくらいに整えられていた。

「はい、終わり。じゃあ次は服かな。今日のコーデはどうしますかー?」

「セレシアのお好みで」

「はーい。じゃああたしのセンスで選ぶわね」

 部屋のクローゼットから、セレシアが独断と偏見で服を
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