第三幕その六
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「島国だからね」
「あっ、他の国に行ったりしないので」
「鉄道の旅をするにも限られていてね」
「欧州みたいに何日もの旅はないですね」
「それはないからね」
「ああした楽しみ方は出来ないですね」
「ブルートレインはあったけれど」
それでもというのです。
「鉄道の長旅はね」
「そうしたことには疎いですね」
「そうなんだ」
「そこは日本の鉄道ではですね」
「楽しめないね」
「そこは残念なことですね」
「残念というか仕方ないね」
日本は島国故にというのです。
「そこはね」
「そうなりますね」
「うん、けれどそのことを抜いても」
それでもというのです。
「日本の鉄道文化はいつも話している通り」
「凄いものですね」
「そうだよ、この凄さには本当に脱帽だよ」
「世界屈指の鉄道大国ですね」
「勿論他にも凄い国はあるけれど」
「日本は日本で、ですね」
「凄い鉄道大国だよ」
先生は赤ワインを飲みつつまた言いました。
「ただね」
「ただ?」
「最近鉄道の旅の時にこうしてね」
「お酒をですか」
「そう、ワインをサービスしてね」
そのうえでというのです。
「出してくれる車両もあるんだ」
「ワインも飲めるっていうのが凄いですね」
「欧州ではよくありますが」
「日本ではですね」
「そう、考えられなかったね」
「けれどそれがですね」
「楽しめる様になったんだ」
こうワインを飲みつつ言うのでした。
「そこも工夫だね」
「そうですね、あとピザの後はです」
「デザートだね」
「今日はトルテをお出しします」
そちらをというのです。
「是非楽しんで下さい」
「それではね」
先生は笑顔で頷いてそうしてでした。
皆に鉄道のことをさらにお話していきました、それはとても楽しいものでお酒とデザートと一緒に楽しみました。
その翌朝です、先生はです。
大学の研究室で次の論文の為に資料を読んでいるとです、そこに王子が来てそれで先生にこう言ってきました。
「先生、今度面白いイベントがあるらしいよ」
「イベント?」
「そう、鉄道博物館でね」
「昨日僕動物の皆と一緒に行ったよ」
「そうだったんだ」
「あそこで何があるのかな」
先生は王子に尋ねました。
「それで」
「うん、リニアモーターカーの模型が入るらしいんだ」
「あそこにはディオラマがあるね」
「今度リニアモーターカーのそれが出来て」
それでというのです。
「それが走るらしいんだ」
「そうなんだ」
「先生も行く?」
「鉄道模型も昨日観たけれどね」
「じゃあいいんだ」
「いや、模型でもリニアモーターカーが動くなら」
それならとです、先生は王子に答えました。
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