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提督はBarにいる・外伝
後悔
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い悲鳴を上げた奴とか、膝からガックリと崩れ落ちた奴、その場で泡吹いて気絶した奴とかが多数いた。……そりゃもう、ドン引きするレベルで多数いた。そんな連中は目を血走らせて『リバースド・ナイン殺すべし』と燃えたぎっている。そこに『お酒は補填されません』等と発表したら、火の中にガソリンどころかニトロぶちこむようなモンだ。

「……解りました、そちらの方は何かしら手を打ちます」

「店の内装も頼んだぜ?」

「そっちの方は明石が無償ででも直します!と意気込んでましたよ」

「ならいい。……それで?応急修理で通信施設は使えそうなのか」

「建て直した方が早い、と妖精さん達は見積もりを出していましたが……?」

「そりゃ解ってるさ。……だが、今すぐ取り壊して再建工事に入ってもらう訳にはいかん」

「……ニライカナイ艦隊、ですか」

「それよ。確か予定では今日辺りだったな?」

「はい、予定通りならば今日の夕方辺りに到着の予定です。如何なさいますか?」

「如何も何も、連絡取れなきゃどうしようもねぇだろうが」

「緊急時の措置として、明石が昔の短波無線を修理できないか弄ってますが……倉庫でホコリ被ってた代物なので、動くかどうか」

「……使える事を祈るしかねぇだろ」

 ぼやくようにそう呟き、ズボンのポケットに突っ込まれた煙草の紙箱がクシャッと音を立てて軋む。

「ネームレベル……話には聞いていましたが、実際に相対するとこんなにも厄介だとは。想定外です」

 大淀の愚痴を聞きながら、煙草に火を点ける。苛立ちを紛らわすように大きく吸うと、一気に煙草が灰に変わる。口の端から紫煙が漏れる。蒸気機関が溜まりすぎた蒸気を逃がすように、鼻から一気に口内の煙を噴出させる。自制はしているが苛立っているのが自分でも解る。歯軋りしてしまい、咥えていた煙草のフィルターを噛み千切ってしまった。口の中に苦い物が広がり、ペッと吐き出して手の中に落ちかけた灰諸共に握り潰す。僅かに熱いが、今の腸の煮えくり具合に比べれば熱くなど無い。

「この借りは、兆倍にして返してやるぞ……小娘が」

 恐らく今の俺の顔は般若の様だろう。後で思い返したら恥ずかしくなる奴だ。



「提督、ノイズがキツいですが『みのぶ』からの通信をキャッチしました。ただ……此方からの発信は難しい状況です」

 すみません、と頭を下げる明石。

「いや、いい。元々駄目元でやらせてた事だ。無線の修理は現時点で破棄。妖精さんと工廠班は、総出で通信設備とレーダー設備の解体・再建に掛かれ」

「了解ですっ!」

 ダッと明石が駆け出していく。

「大淀、恐らくだが『みのぶ』のCIC……いや、下手するとアイツだけはウチの今の現状をかなり正確に把握してる筈だ
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