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永遠の謎
55部分:第四話 遠くから来たその八
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「あの場所に」
「中々見つからなかったな」
 男爵は大使館の一室にいた。そこで豪奢な席に座りそうして話を聞いていてだ。そのうえで外交官の話を聞いてから述べたのである。
「全くな」
「そうですね。確かに」
「ワーグナー、その逃走は用心深く抜け目ないとは聞いていましたが」
「ここまでとは」
「思っていませんでした」
「だからこそだな」
 男爵も納得した顔で話す。
「それでああしてだな」
「はい、長い間捕まることなく逃げていたのです」
「官憲からも借金取りからも」
「ウィーンでも莫大な借金を作っています」
「かなり贅沢な暮らしをしていたようで」
「その借金についてもだ」
 男爵はこのことについても言及した。

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