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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第14話 望まない再会
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確認出来ない。
だが、こちらを攻撃するかと思われた相手は、前回の遭遇と同じようにその足音を遠ざけていった。どうやら1対3は不利だと判断したらしい。遠ざかる相手を追いかけたい気持ちはあったが、光が収まった後も少しの間視界が回復しきらない状態だったので、セレシアは追跡を断念せざるを得なかった。
「……とりあえず、何もなくてよかったのかな」
ひとまず、何もない状態のまま終われただけでもよしとして、セレシアはこの言葉を発した。
セレシアの操る炎属性は最大威力を誇る分、属性相性的な難が多い。地、水の2属性に対しては効果が薄く、風属性に関しても場合によっては効果が減衰してしまう。
それ故に剣術も鍛えていたりはするのだが、さすがに昼食時までは持っていない。魔法だけでどうにかするつもりであったが、何事も起きないのならばそれはそれで問題ないと納得することにした。
「エアードくん大丈夫?」
「ああ……はい。大丈夫です。来てくれたおかげで何ともなくすみました。ありがとうございます」
一方、バックアップに徹しようとしていたフローラは、事が終わった後エアードへとすぐさま駆け寄り、その身を心配していた。
エアードの言葉を聞くに、どうやら事が起こる前に2人が来たことで未然防止となったらしい。ごく自然な流れでエアードが頭を下げていた。
「でも、なんでここに来たの? 昼休みに屋上に来る人なんて、あたしたちくらいしかいないと思ったんだけどなー」
「それは、えーと……言いにくい理由なのですが……」
だが、近づいてきたセレシアの疑問に対しては、奥歯に物が挟まったような言い方となった。誰にでも言いたくないことがあるのは分かっていることだが、それは興味が湧かないこととイコールではない。
「言いたくないなら、別にいいよ」
「いえ、そこまでのものではないので大丈夫です。恥ずかしながら、今朝このようなものが机に入っておりまして……」
エアードが2人に見せたのは、1通の便箋だった。丁寧に封までされたその中をエアードが開けると、そこに入っていたのは手紙。書かれていたのは、『昼休みすぐの時間に屋上に来てください』という一文。差出人の名前がないので、誰が書いたのかは分からない。
「これは……なんだろう? ラブレター……ぽいけど」
「僕もそう思って、少しウキウキしながらここに来たんです。そしたら、先ほどのようなローブ姿の男に襲われまして……」
「それは災難だったね」
「ええ、まさかまさかの期待をした自分が少し浅はかだったようです。まぁ、そうチャンスが来るわけがありませんよね」
自虐気味にそう言うエアードの表情は何も気にしていないようではあったが、声はやや暗かった。どうやら、期待と
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