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ツインズシーエム/Twins:CM 〜双子の物語〜
ツインレゾナンス
第14話 望まない再会
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言われ、自分でもよく分かっていることだが、それはあくまでもそこまで重要度が高くないものに限る。このご時世、本当に重要なことは漏らさないようにしなければ生きていけないからだ。

 また、そういう踏み込んだ部分の話が出来る人はもちろん多くはないが、最奥まで踏み込んだ話をするのはこの学校の生徒で最も付き合いが長いセレシアを除いて他にはいない。ということは、屋上にて2人だけで昼食をとろうと提案したことも、そんな話をセレシアとするために他ならない。

 それを決めて教室に留まる理由のなくなったフローラは袋を左手に提げて、近い方の扉から教室を出た。

 一方すでに教室の外にいるセレシアは、窓枠越しに別の女子生徒と会話をしていた。その生徒はフローラの隣に座っているので、いつもこういうセレシアとフローラのやり取りを見ている。

「セレシアって、フローラのこと大好きだよね。もしかして、そういう関係だったりするの?」

「確かにあたしフローラ大好き人間だけどさ、そういうのではないかなー。一線は超えないよ」

 女子生徒からしてみれば半分以上はからかいなのだろうが、セレシアにとっては割と真面目な部類の問い。セレシアがフローラに対して抱いている想いは、実際に一緒にいる時間以上にフローラに伝わっている。フローラがセレシアに対して抱く想いも、同じようなものだからだ。

「んじゃーいこっか、フローラ。あたしご飯はスローペースだから、早くしないとお昼の時間終わっちゃうよね」

 会話を終えたセレシアが、こちらへと振り向く。若干時間を余分に過ごしてしまったものの、まだまだ昼の時間は始まったばかり。フローラとセレシアは、昼食をとるために屋上へと向かった。






* * * * * * *






 普段フローラたちが過ごすのはクラスルームが並ぶ3階であり、この校舎は3階建てなので、屋上は1つ上のフロアとなる。縦に長い校舎の廊下を歩き、1階層分の階段を半分昇るまでは、いつもと変わらない昼休みであった。

 それがややおかしな方向へと向かい始めたことに2人が気づいたのは、階段の向こうに屋上の空間と校舎内を隔てる扉が見えてきた時だった。

 そこで2人が目にしたのは、3日前、セレシアがエースと共に遭遇したのと同じ光景。鍵は開いているはずなのに、固く閉ざされた扉。手をかけて引っ張ったところで、セレシアの力ではびくともしない。

「またこれ……?」

「またってことは、前にもあったの?」

「フローラが襲われてた時も、ここが開かなくてフォンバレンくんが焦ってたの。あたしが来たから開いたんだけどね」

 3日前はフローラと屋上で話をしていたセレシアが、飲み物を買いに1階まで降りるために一度目を離した隙にそのような
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