暁 〜小説投稿サイト〜
魔法が使える世界の刑務所で脱獄とか、防げる訳ないじゃん。
第一部
第10話 メイドの使い方+Merry Christmas
[2/2]
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
でおこう。
メイがいきなり琴葉に殴り掛かる。やっぱり始めやがった。
「わ、やべっ」
昨日とは変わり、琴葉はそう声を漏らすと、腕を自分の前で交差させて、防御の態勢を取る。昨日はそんな事しなかったのだが、如何為たのだろう。
すると、メイの拳が琴葉の腕に"当たる"。
看守室の壁に打ち付けられた琴葉が、血を吐き出す。昨日はスカだった攻撃が当たる様になっている?
「……はー、怖い怖い。どんな怪力メイドだよ」
「……おわっ」
……と、其処で、俺は要に抱えられて、琴葉の近くまで移動させられる。琴葉でさえとんでもないピンチなのに、え、俺も巻き添い? 要、頭狂ってんのか?
「要は九〇四番を医務室へ。翁に『奥に通して』って伝えて。もしメイドが襲ってきたら、すぐに連絡。分かったんならさっさと行け」
「はいはい……人使いが荒いなぁ」
要は一人で看守室を出て行く。自分だけ逃げたようにも見えなくは無いが、グレースを守ろうとしているのかな? 一応。
琴葉を見てみると、看守服の袖から血がぽたぽたと垂れている。
いきなり襲ってくる恐怖で、足が震える。
……此処で死ぬのか?
「……って、レン。何に怯えてんのさ」
「はっ?」
琴葉が振り返って、淡々と言う。
そのすぐ後ろに、イドの姿。
刀を構えたイドは、確実に琴葉の首を斬るつもりだ。
―――実際、イドは琴葉の首を斬った。
「…………え?」
頬に生暖かいモノが当たる。
琴葉の体が傾き、こちらに倒れてくる。
後ろでメイが口の端を吊り上げて、笑っている。
イドが刀に着いた血を拭いている。
まさか、本当に死―――
「レンの心配性」
琴葉の声。……幻聴?
そう疑うが、次の瞬間にドガン! と物凄い音が、刑務所内に鳴り響く。
「私が殺されたくらいで死ぬわけ無いじゃん」
音の先には、血塗れの琴葉が。
その前に…………誰だか分からなくなるほどまでぐちゃぐちゃになった……メイとイド。
琴葉がニヤリと笑ったのを見て、思わず―――
「ぎゃああああぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」
と叫び、看守室を飛び出した。
[8]
前話
[9]
前
最初
[1]
後書き
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ