機動戦士ガンダム
2263話
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く。
……もしかして、アムロも不殺の精神に目覚めるとか、そんな事はないよな?
微妙に嫌な予感を覚えつつ、俺の視線はアムロに向けられている。
当然アムロに視線を向けているのは俺だけではなく、メリルもそうだし、フラウやその家族……そして他の避難民からも視線を向けられている。
元々内向的な性格をしているアムロだ。
当然のように、そのような視線を向けられれば断るなどという事は出来ず……
「分かりましたよ! けど、そのホワイトベースって軍艦に運ぶだけですからね! 軍艦に行けば、このMSを操縦出来るパイロットは僕以外にもいるんでしょ!」
そう、叫ぶ。
普通に考えれば、アムロの言ってる事は決して間違いではない。
だが、この世界の原作でアムロが主人公だと思われる以上、そんなに都合良く行くのか? という思いもある。
現実というのは、いつでもこちらにとって予定外の動きを見せるものなのだから。
とはいえ、だからといってこっちで何も手を打たないという選択肢は存在せず、あの軍人の言葉通り……恐らくは原作通りの流れにそのまま乗るのが幸いだろう。
「ちょっといいか?」
「ん? 何だい?」
俺の言葉に、アムロとの打ち合わせ――といっても非常に簡単なものだが――を終えた軍人がそう言葉を返してくる。
俺に対して、普通の視線……いや、寧ろアムロを説得したという点で好意的な視線を向けてくる軍人だったが、こうして見たところでは俺がフラウの一家を助けて空を飛んだ光景を見ていなかったのか?
まぁ、軍人という事でトレーラーの側にいて、そちらにも地面の崩壊が広がっていったのだから、それどころではなかったというのもあるが。
ただ、避難民の方では俺に恐怖の視線を向けてくる者も決して少なくない。
……取りあえず、今はこの場から離れてホワイトベースとかいうMS運用艦に避難する事を皆が優先しているから問題にはなっていないが、それが一段落すれば、きっとさっきの一件が話題になるなりなんなりするだろう。
そうなれば、俺が怪しまれるか……もしくは、空を飛んだ=魔法という事で、ルナ・ジオン……いや、シャドウミラーの人間だという風に考えられるか?
ともあれ、今の状況なら特に大きな騒動になるような事もないだろうが……
「あのトレーラーはどうするんだ? あのままここに置いていくのか? 見たところ、MSのようだけど」
「あー……そうなんだよな。出来れば持っていきたいけど、見ての通り残っているトレーラーのほぼ全てが動かせなくなっている。こうなってしまうと、ホワイトベースに行ってから、こういうのを運べる軍用車両を持ってくる必要があるな。もしくは、あのアムロって子供に頼んで新しいトレーラーの荷台にMSを移すか」
あっさりとそう告げる軍人
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