機動戦士ガンダム
2263話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を横に振る。
「先程の地割れで、テム・レイはその中に落ちていきました」
俺の近くにいたメリルが、小さな声でそう告げてくる。
そう言えば、地面が崩壊した時、メリルが少し驚いたような声を上げていたけど……あれはテム・レイが落ちたのを見たからなのか。
あれで死んだとは限らないが、だからといって現在の状況でテム・レイを探すといったことをするのも、また難しい。
アムロにその事を教えるべきかどうか迷っていたが、俺が何か言うよりも前に首を横に振っていた軍人は口を開く。
「残念だけど、行方不明だ。MSの攻撃で……」
「……そうですか」
アムロにとっても、父親が死んだというのは色々と思うところがあるのだろう。
先程まで俺に向けていた激しい感情が、まるで嘘だったかのようになくなっていた。
軍人はそんなアムロの肩を掴み、口を開く。
「とにかく、今はこのままここでこうしている訳にもいかない。恐らくだが、すぐにジオン軍の攻撃が再開される。特にガンダムが……それにガンタンクやガンキャノンがあるとなれば、尚更だ」
どうやら、やっぱりアムロが乗ったMSはガンダムで良かったらしい。
しかも、ストライクとかウイングとかの名前が頭に付かない、本当に普通のガンダム。
そして他の2機は、ガンタンクとガンキャノン。
ガンダムの他にも別の機種があるのは分かっていたけど、名前から考えると両方とも後方支援用の機体なのか?
ヅダで言うSP型、もしくはSEED世界のザウートやW世界のトラゴス的な。
けど、遠距離からの射撃用MSにしても、わざわざ2種類の機体を作る必要があるのかと言われれば、正直なところ微妙だと言ってもいいだろう。
となると……用途が違う?
「でも、僕は別にMSパイロットって訳じゃ……」
「分かっている。けど、残念ながら今の状況でガンダムを動かせる人員は君しかいないんだ。いや、正確には動かせるだけなら他にもいるだろうけど、あのガンダムには学習用コンピュータが入っている。そのコンピュータは、既に君の動きに機体を最適化している筈だ」
「そんな、だってまだ殆ど……」
殆ど動かしてはいない。
アムロはそう言おうとしたのだろうし、事実そうなのだろう。
だが、その少しというのはザクと……模擬戦ではなく、実戦を行ったデータが入っている。
その上で、アムロがガンダムを上手く動かせるというのも、間違いのない事実だ。
この軍人も、本音としては後者の方を重要視しているのだろう。
寧ろ、学習コンピュータというのは、建前でしかない可能性もある。
……まぁ、その気持ちも分からないではないが。
アムロが見せた操縦技術は、とてもではないが素人がMSを初めて操縦したといったようなものではなかったのだ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ