第五章
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「それでわしはところ払いにしたんじゃ」
「流石に見ておけんでか」
「牢屋に入れようと思ったが何かする前じゃったからな」
だからだというのだ。
「処罰したんじゃ」
「そうだったんじゃな」
「そうじゃ、それでわしに会ってか」
「今は何もしていませんが」
それでもとだ、親父は自分に顔を戻してきた山本に怯えた声で答えた。
「このことかと思ったのです」
「成程のう、ではじゃ」
「はい、すぐにですね」
「双子を元に戻せ、出来るな」
「やってみせます。そうしてですね」
「こんなの罪は許せん、許可なくそうした実験をしてしかもじゃ」
「自分の子供達にするなぞ、ですね」
親父もわかっていた、それでフェアリ―用の小さな座布団に座って小さな身体をさらに小さくさせて述べた。
「それは」
「そうじゃ、死罪にはせんが」
それでもと言うのだった。
「重罪じゃ、覚悟せえ」
「若しこんなに治せんかったらじゃ」
その場合は井伏が話した。
「こっちで治す、星のモンの力でな」
「それでは」
「まずはこんながせえ」
こう言ってだ、そしてだった。
親父はすぐに子供達を元に戻す手術にかかった、親父は行いはともかく魔術だけでなく錬金術や科学、医学にも通じたかなりの学識の者で手術の腕もかなりで双子は無事に元に戻ることが出来て再会することが出来て以後呉で働きつつ平和に暮らすことになった。尚親父はこの咎で魔術の道具を全て没収されて売られその銭も財産も全て子供達に譲らさせられたうえで石見の銀鉱山送りとなった。山本と井伏は双子に感謝の言葉を受けてだった。
二人は呉を去った、その時に山本の手にあるものが出て来た、それはというと。
「三本の矢か」
「毛利元就公のじゃのう」
その三本の矢を見てだ、隣にいる井伏も言った。
「それじゃな」
「ああ、今心の中に何かが語り掛けてるわ」
山本はそれを神託を授けてくれた神仏のうちの一柱だと思った、そしてその声がどう語っているのかを井伏に話した。
「政治力がかなり上がるとのう」
「そうか、こんなも政がかなりよおなるか」
「これまで不得手と思うちょったが、あと試練を乗り越えてじゃ」
「全体的にじゃな」
「強くなった感じがするわ」
「そうか、ほなじゃな」
「これからな」
まさにと言うのだった。
「次の行動に移るか」
「そうじゃな、こんなの試練は終わった」
「ならな」
「次じゃ」
「ああ、わし等のやることはこれで終わりじゃないけえのう」
「じゃあ行くか」
「そうしようか」
二人は呉を出て次の場所に向かった、試練を終えた山本は新たな神具を手に入れたうえで明らかに以前より強くなっていた、そのことを実感しつつ前に進むのだった。
双子の謎 完
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