第73話
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6月12日――――早朝
翌朝リィン達はリーゼアリアとセリーヌの見送りをしていた。
〜リーヴス駅前〜
「…………この度は図々しくご厄介になってしまい、申し訳ありませんでした。それと、ありがとうございます。一緒に過ごせてとても楽しかったです。」
「ふふっ………それはこっちの台詞だよ。」
「わたくしにとってもお兄様とお姉様の従妹であるリーゼアリアさんとはゆっくり話す機会を作りたかったですから、良い機会でしたわ。」
「時間ができたらまたいつでも気軽に来なさい。」
リーゼアリアの謙遜した様子の言葉にトワは苦笑しながら、セレーネとエリゼは優し気な微笑みを浮かべて答えた。
「リーゼアリアさん、また一緒にガールズトークしようね!」
「有意義な時間でした。」
「あはは…………とっても楽しかったです。」
「私もあんなにもたくさんの同性の人達とおしゃべりしたのは初めてで楽しかったわ。」
「ふふっ、帝都は近いですからすぐにお会いできそうですけど。」
「何だったら次はリーゼロッテと一緒に来てもいいわよ。」
生徒達女性陣とアルフィンはそれぞれ明るい表情でリーゼアリアに声をかけ
「そうですね…………リーゼロッテ皇女殿下にもよろしくお伝えください。」
「ふふ、承りました。」
クルトの言葉にリーゼアリアは微笑みながら答えた。
「でもまさか、セリーヌさんまで一緒に帰っちゃうなんて…………」
「ずいぶん急な話ですね。」
「もしかしてエマさんが何か見つけたの?」
「ええ、エマの方でも色々と手掛かりを見つけたみたいでね。アンタたちの教官にも教えたい事は全て教えたし、短い間だけどお暇させてもらうわ。」
「そっか…………エマちゃんにもよろしくね。」
「ふふっ、最後にもう一度ブラッシングしたかったんですけど。」
「ア、アンタのは危険だから遠慮しとくわ…………!」
微笑みながら答えたミュゼの希望にセリーヌは表情を引き攣らせて指摘した。
「ま、アンタたちもせいぜい頑張りなさい。エマ達だって2年前はアンタたち以上に迷ったり足掻いたりしてたんだから。それを考えると上出来なんじゃない?」
「あ…………」
「アハハ、セリーヌちゃんったら。」
「――――それじゃあ、リーゼアリア。セリーヌも元気でな。」
「ま、そっちも頑張りなさい。」
「――――聞けば今週末にもまた演習に行かれるとのこと。お兄様、お姉様、皆さんもくれぐれもお気をつけください。」
「うん、ありがとう…………!」
「必ず無事に戻って来る。安心していてくれ。」
そしてリーゼアリアとセリーヌはリィン達に見送られながら駅の中へと入っ
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