第73話
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前カイエン公と違い、理知的な方との事ですから例え諜報活動を行っていたエレボニア帝国軍関係者の件があったとしても、その件を根に持つような方ではないから大丈夫だと思いますが……」
「演習範囲や日程など、これまで以上に厳しくなることも予想される。各自、準備を怠らず、英気を養いつつ週末に備えて欲しい!」
「イエス・サー!」
次なる演習地に生徒達が期待や不安を感じている中ミハイル少佐は生徒達に忠告と激励の言葉を贈った。
「フォートガード州か……エレボニアの西側だったよね?」
「ええ、海都オルディスを含めたラマール州の凡そ7割がクロスベル領と化した事で貴族派最大の本拠地となった州でもあります。確かその関係でミュゼさんの実家もフォートガードに引っ越したとか。」
教官陣がそれぞれ話し合ったり、生徒達を集めて今後の方針を伝えている中Z組同士集まっていたユウナの疑問にアルティナが答え
「フフ、オルディスに負けず劣らず良いところですよ。風光明媚で海も綺麗ですし。」
「海かぁ…………私にとってはこちらの世界の”海”を見るのは今度の特別演習が初めてになるから楽しみだわ。」
ミュゼの話を聞いたゲルドはまだ見ぬ演習地を楽しみにしていた。
「たしか君もそちらの出身だったよな?」
「クク、海なんざ見えねぇ峡谷の歓楽都市だけどな。――――それよりもいい事を思いついたぜ。その白髪魔女をラクウェルのカジノに連れていけば、俺達が億万長者になれる大チャンスじゃねぇか?」
クルトの質問に答えたアッシュは口元に笑みを浮かべてゲルドに視線を向け
「えっと、もしかして私の”予知能力”で賭け事に勝とうと考えているの……?」
「……まあ、スロットはともかくブラックジャックやポーカーもそうですが、ルーレットもゲルドさんの予知能力によるサポートがあれば勝率は非常に高くなるでしょうね。」
「フフ、ちなみにもしチャレンジをするのでしたら配当率が高いルーレットの一点賭けが効率良くコインを溜められる上”怪しまれないように意図的に負ける事”も簡単ですからお勧めですわ♪」
「いや、何であんたはカジノのゲームの配当率やカジノの人達に怪しまれないようにする方法を知っているのよ……まあ、それはともかくゲルドの”予知能力”を賭け事のイカサマの為に悪用するとか、あたし達もそうだけど教官達が許すわけないでしょう?」
「そもそもそれ以前に教官達が僕達生徒がカジノに入る事自体を許可しないと思うがな。」
アッシュの言葉を聞いてある事を予想できていたゲルドは困った表情をし、アルティナは静かな表情で推測を口にし、ミュゼは微笑みながら答え、ユウナとクルトは呆れた表情でアッシュに指摘した。
「チッ、そういやあの二人がいたか。。(………今更未練はねえが…
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