一匹狼っていうけどそもそも狼は群れる生き物だと知識人アピしてマウント取るのもどうかと思う。って短編
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その顔には、「思ったよりもふもふじゃない」という微かな落胆が見て取れた気がした。
数日後、ロボはブラッシングを経てもふもふな毛並みを手に入れ、代わりにチェインの相方としてカルデアで働くこととなった。チェイン程ではないが、姿を透過できる彼の能力は有用だし、移動手段としてはなかなか優秀だ。
それに、HLの事を知ることで、ロボにも多少は戦う動機が出来た。
この世界にもロボはいた。であるならば、人間と共闘する理由はある。
もちろん彼の本質を警戒したキャスターたちによってチェインに令呪が施されたりと楽な結果ではなかったのだが、カルデアでの生活が響いているのと「人間を殺す」という役割も与えられることもあってか、ヘシアン・ロボは不承不承ながらライブラに――正確にはライブラに所属するチェインに従うことを受け入れた。
「行くよ。ロボ、へシアン」
「グルルルルル……グオオオオオオォォォォッ!!」
「な、なんだこいつら!何もないところから――ぐあああああああッ!?」
今日も狼と人狼は町を駆け、そして世界の均衡の為に敵を滅する。
強者に弱者が従うのも、ある意味では自然の摂理だ。それに……。
「おつかれ、ロボ。ブラッシングしたげる」
「すっかり日課になったなぁ、チェイン達のロボくんブラッシングは」
「ま、体が大きすぎて数人がかりな上に気に入らない人は近づくのを許してくれないっすけど。体を許すのチェインさん、ツェッドさん、エルキドゥさんにナーサリーさんくらいですし。ここも人間の臭いを遮断する異界の部屋ですもんね」
「……ところでレオ君。ナーサリー・ライムさんは絵本が本体と聞いたのですが、レオ君にはどう見えているのですか?」
「半透明の女の子の真ん中に絵本があるように見えてます」
「まぁ!レオさんのエッチ!」
「義眼で透視とは、レオも悪に染まってきたね」
「謂れのない罪がッ!?俺そんなことしてないですけど!?」
「嘘つけ陰毛野郎が。どーせ内心スケベなことばっか考えてその辺のマンションの中で着替え中の女がいないか鼻の下伸ばしながら探して回ったりしてんだろうが!」
「ファッキンシルバーシット先輩は黙っててもらえますかねぇ!?」
騒がしく腹立たしい存在たちを睨んで追い払い、地面に体を投げ出す。そんなロボにチェインがもたれかかり、毛並みを優しく撫でる。これは人間に対する隷属ではない。狼が、より強い狼に従っただけに過ぎない。我が身はあくまで復讐者、人間の下につくことはない。
「んー、やっぱり読み通り、ロボは毛並みを整えれば絶対気持ちいい触り心地になると思ったのよねー。今度人狼局に連れてって皆に紹介しよっかな?」
聞くところによると同じ能力を持った人狼はまだまだいるらしく、自分より格
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