機動戦士ガンダム
2261話
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可能性もあるが……残念ながら、ザクには被害らしい被害がなく、その攻撃は寧ろザクのパイロットを冷静にさせるだけになったらしい。
いやまぁ、冷静って言っても自分が攻撃されたのは間違いない以上、怒ってはいると思うんだが。
視線の先では、そんな俺の予想を裏付けるように、ザクが拾ったザクマシンガンの銃口を向け……撃たない?
てっきりガンダムに向かって撃つと思ったんだが、何故かザクはザクマシンガンを手にしたまま、1歩2歩といった具合に足を進める。
それを見たガンダムは、トレーラーの荷台に身体を固定していたロープ……先程までのやり取りで大半が既に切れているが、それでもまだ何本か結んでいたそのロープを、ガンダムを無理矢理立ち上がらせる事によって引き千切る。
迫力満点の光景ではあるが、MSの力を考えればトレーラーの荷台に固定していたロープを切る程度のことは容易に出来て当然だろう。
「さて、いよいよ原作の始まりか」
呟き……ふと、思う。
もしかして、俺は今の時点で思い切り原作に介入してしまったのではないか、と。
いや、ルナ・ジオン云々、シャドウミラー云々という訳ではなく、俺が考えていたのは先程のザクの挙動だ。
具体的に言えば、ザクマシンガンの銃口が向けられていた避難民の方。
あの時、アムロはフラウと呼ばれた女を抱きしめていて、その避難民の中にはフラウの両親と思しき姿があった。
アムロとフラウが具体的にどのような関係にあるのかは、俺にも分からない。
それこそ恋人関係にあるのか、友達以上恋人未満なのか……もしくは、友達でしかないのか。
その理由はどうあれ、もしあの場でザクマシンガンが発射されていれば、間違いなくフラウの両親は死んでいた。
そしてフラウはそれを知り、大きなショックを受けていただろう。
アムロがそんなフラウの為にガンダムに乗り、ザクと戦う……というのは、何だか普通にありそうな事のように思える。
そんな風に考えている俺の視線の先で、ザクマシンガンを突き出したままガンダムに近づくザク。
不意にガンダムの方は、そんなザクに対して再び頭部バルカンを撃つ。
だが、今度はザクも落ち着いていたのか、ザクマシンガンを引っ込め、冷静に肩のシールドでそのバルカンを防ぐ。
……ガンダムの武器って、もしかしてあのバルカンしかないのか?
いや、だが……SEED世界でもキラが最初にストライクに乗った時はバルカンと、あとはアーマーシュナイダーとかいうナイフの類しかなかった筈だ。
それを考えれば、このガンダムにも武器らしい武器がなくてもおかしくはない。
現在、唯一使えるのが、内蔵武器の頭部バルカン……といったところなのだろう。
ザクのパイロットもそれに気が付いているのか、バルカンの斉射が終わると、再び
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