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永遠の謎
540部分:第三十二話 遥かな昔からその一
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ヤルボックスにだ。光が宿った。その時にだ。
 王の入場を知らせるベルが鳴った。それを合図にしてだ。
 上演がはじまった。王が脚本を書かせた作品だ。舞台はバロックの頃のフランスだ。
 その演奏の中でもだ。観客席には誰もいない。やはり王がいるだけだ。
 王はそのロイヤルボックスの中でだ。傍らに立つホルニヒに述べていた。
「この方がいい」
「御一人での観劇ですか」
「いつも誰かに見られている」
 王はそのことについても述べる。
「それは辛いことだ」
「だからですね」
「観劇の時はそれに専念したい」
 王はぽつりとした口調になっていた。

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