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ドリトル先生と日本の鉄道
第二幕その十一

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「日本全土のね」
「えっ、駅弁あるの」
「駅弁あるの」
「この博物館には」
「そう、さっきも言ったけれど日本全土のだよ」
 そこまで揃っているというのです。
「だから駅弁にしようかってね」
「思ったんだ」
「先生にとしては」
「そうなんだ」
「皆も食べるよね」
 先生は皆にも尋ねました。
「そうするよね」
「うん、是非ね」
「駅弁あるなら食べたいよ」
「そういえばここの食堂来るのはじめてだったわ」
「それで駅弁があるなんて」
「これは思わぬ誤算だわ」
「さて、その中から何を注文して食べるか」
 メニューを観つつ真剣に悩む先生でした。
「考えどころだね」
「そうだね」
「果たして何を食べるか」
「これは困ったことだね」
「日本全土のものがあるなら」
「何を選ぶか困る筈のも道理だし」
「どうしようか」
 動物の皆も考えました、そしてです。
 少し考えてです、先生は皆に言いました。
「よし、僕は蟹弁当と鰻弁当それに烏賊飯にするけれど」
「烏賊の中に御飯が入っている」
「それもだね」
「それで皆はどうするのかな」
「メニュー見せて」
「それで選ぶよ」
 これが皆の返事でした、そしてです。
 皆は先生に見せてもらったメニューからそれぞれ好きなものを注文したのでした、そうして駅弁をです。
 皆で食べていきますが先生はここでまた言いました。
「この駅弁も日本ならではだね」
「日本の鉄道文化だね」
「この駅弁も」
「そうだね」
「うん、本当にね」
 まさにと言うのでした。
「これもだよ」
「日本の鉄道文化だよね」
「こちらも含めて」
「駅弁がこんなにあるって凄いよ」
「日本だけじゃないかな」
「多分ね。このことはね」
 ここで残念そうに言う先生でした。
「イギリスではね」
「うん、サンドイッチ位だね」
「欧州の国を跨ぐ鉄道なら車内で豪華なディナーがあるけれど」
「駅弁となるとね」
「日本だけだね」
「そう、日本だけだから」
 実際にというのだ。
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