第72話
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トタイムのお時間です。トリスタ放送が6月11日、夜9時をお知らせします。みなさん、日曜の夜はいかがお過ごしでしょうか?6月も半ば…………そろそろ1年の半分が過ぎるんですね。長かったような、短かったような。
そんなこんなで今年もやってきました。――――そう、”夏至祭”の季節ですね。この時期、各地で開かれる伝統的なお祭り―――ああ、帝都だけは一月遅れですが、土地によって色々な催しが開かれるのが特徴ですね。個人的にオススメするのはやっぱり海沿いの”フォートガード州”とクロスベル帝国の”ラマール州”でしょうか!
”海都オルディス”では、恒例行事として湾内に無数の篝火を浮かべる事で有名で、クロスベル帝国領と化してからは失われる事も危ぶまれていましたが、ラマール州の責任者であり、先月の”三帝国交流会”にも参加したカイエン公爵令嬢姉妹がクロスベルの両皇帝陛下達にオルディスでの”夏至祭”が続けられるように嘆願し、その結果寛大な両皇帝陛下達が許可を出したお陰で続行されています。そしてオルディスがクロスベル帝国領と化した事で”新海都”となったフォートガードでは、オルディスと同じ行事を行う事を予定されていましたが残念ながら去年は諸事情で自粛されたため、楽しみにしている人も多いのでは?…………ふふ、そういう私もその一人です。
夏至祭の雰囲気をしっとりと楽しみながら、ショットグラスの氷をカランと回して…………そんなロマンチックで大人な夜を過ごせたら素敵ですね。
「…………次の演習地はフォートガード州なんだよな。そういえば前回も、前々回もサザ―ラントにクロスベルだったか。」
「ったく、完全に狙っているとしか思えないチョイスじゃない。”結社”の動きを読んでいるのか政府の動きを見越しているのか…………ま、多分両方でしょうね。」
「ああ…………だろうな。」
アーベントタイムを聞いていてふと先月と先々月のアーベントタイムでも特別演習の実習地をネタにしていたことを思い出したリィンの話を聞いたセリーヌは呆れた表情で呟き、リィンはセリーヌの推測に頷いた。
―――そうそう、フォートガード州といえば、お楽しみは新海都だけではありません。沿岸部にはビーチなども点在していますし、新鮮な海産物を使った料理も魅力的ですね。峡谷地帯の”歓楽都市ラクウェル”はカジノや小劇場が有名ですし…………あとは沖合いにある”ブリオニア島”かな?定期便こそ出ていませんが、豊かな自然と古代のロマンが溢れた知る人ぞ知る穴場スポットなんだとか。ふふ、夏至祭を堪能したあとは、海水浴にギャンブル、ボートを借りての歴史探訪なんかもアリかもしれませんね。
「ブリオニア島…………旧Z組から聞いたことがあるな。2年前、旧Z組のB班が特別実習で行ったらしいな?」
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