第三十六幕:太陽を想う虹と
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うになっていて、なかなか良いオルゴールだと思う。
壊れたオルゴールは、中のメカの部品が脱落しているだけだと思っていたけど、分解してみると、絶望的な光景だった。風切り羽は外れ、櫛のような部品がバラバラに破損していて、単純な部品の組み直しだけでは直らない事がすぐに分かった。
時崎「これは、結構厄介かも・・・」
MyPadでオルゴールの部品や構造について調べてみる。破損した櫛のような部品は「振動弁」と呼ばれているようで、これが音色を生み出す部品のようだ。いくつかのギヤも脱落している。とりあえず、構造が分かったので組める範囲で組みなおしてみる。
時崎「今、出来る事はここまでか・・・」
オルゴールのぜんまいハンドルを回して演奏させてみる。シリンダーや各ギヤは動作しているようだが、振動弁が破損しているため、本来の演奏は出来ておらず、何の曲かすら分からない。とにかく、破損した振動弁を入手しなければ、この先どうにもならないので、この近くにオルゴール取り扱い店が無いかをMyPadで探してみる。天美さんの為に、なんとかしなければ! 天美さんを喜ばせる事は、七夏ちゃんを喜ばせる事と同じなのだから!
MyPadで調べていると、隣街に手作りオルゴールを販売してるお店がある事が分かった。このお店ならオルゴールの部品も扱っているはず。ただ、このオルゴールの振動弁と同じ部品があるかどうかだ。とにかく、明日はこのお店に急ごう。
オルゴールの蓋を閉める。工具類を片付けていると、トントンと扉が鳴った。扉へ近づき開けると、七夏ちゃんが居た。
時崎「七夏ちゃん?」
七夏「柚樹さん、まだ起きてるの?」
時崎「ああ。どうして?」
七夏「えっと、お部屋の灯りが点いてましたから、まだ起きてるのかなって」
時崎「これから、おやすみするよ。天美さんは?」
七夏「えっと、ここちゃーは、私のお部屋でおやすみしてます☆」
時崎「そうなんだ。七夏ちゃんは、天美さんが眠るまで起きてたの?」
七夏「えっと、ここちゃーと一緒におやすみしてたのですけど、その・・・」
時崎「?」
七夏「くすっ☆」
時崎「七夏ちゃん?」
七夏「ここちゃー、少しお寝相が悪い所があって、私、ベットから落ちそうになって起きちゃいました」
時崎「はは・・・大変だね」
七夏「でも、ぐっすり眠れてるみたいですから☆」
時崎「それで、七夏ちゃんは別のお部屋でお休みするの?」
七夏「いえ、起こさないように、ここちゃーの所に戻ります☆」
時崎「その方がいいと思う」
七夏「え!?」
時崎「起きた時に七夏ちゃんが一緒に居る方が良いと思って!」
七夏「くすっ☆ それじゃ、柚樹さんもお早めにおやすみくださいね☆」
時崎「ああ。おやすみ、七夏ちゃん!」
七夏「おやすみなさいです☆」
俺の
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