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翠碧色の虹
第三十六幕:太陽を想う虹と
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したがっていない様子を、凪咲さんはすぐに察したようだ。

凪咲「心桜さんの家には、私から連絡しておきますから」
心桜「・・・ありがとう・・・ございます・・・つっちゃーも・・・」
七夏「くすっ☆」

家出か・・・壊れたオルゴールと何か関係があるはずだけど、はっきりとした理由もそのうち見えてくるだろう・・・いや、別に見えてこなくてもいい。俺は、いつもの天美さんに戻ってもらいたいだけで、それは七夏ちゃんや凪咲さんも同じ気持ちだと思う。

時崎「オルゴールの事は俺に任せて!」
七夏「え!? 柚樹さん、直せるの?」
心桜「・・・・・」
時崎「なんとかしてみせるよ!」
心桜「でも・・・」

天美さんは元気が無いままだ。

時崎「じゃあ、天美さん。ひとつ条件・・・というか約束、いいかな?」
心桜「・・・約束?」
時崎「明日からは『今まで通り、いつもの天美さんになる事!』」
七夏「・・・・・柚樹さん・・・・・」
時崎「いいかな?」
心桜「・・・・・うん。分かった・・・」
時崎「じゃ、後は俺に任せて、今日は早く寝る事!」
七夏「・・・はい☆ おやすみなさい☆ ここちゃー!」
心桜「・・・おやすみなさい」
時崎「ああ。おやすみ!」

七夏ちゃんに寄り添いながら、二人が七夏ちゃんのお部屋に入ってゆくのを見送る。

心桜「お兄さん・・・」
時崎「え!?」
心桜「・・・ありがと」
時崎「ああ!」

二人は部屋へと姿を消した。

凪咲「柚樹君、色々ありがとうございます」
時崎「いえ、天美さんの家には−−−」
凪咲「今日も家で泊まりますって、連絡しておいたわ」
時崎「すみません」
凪咲「柚樹君が謝る事はないわ」
時崎「俺、さっき玄関で天美さんを見て、何も出来なくて・・・七夏ちゃんは凄いなって思って・・・」
凪咲「七夏にしか出来ない事、柚樹君にしか出来ない事があると思うわ♪」
時崎「・・・・・」
凪咲「それとも、柚樹君が七夏と同じ事を天美さんにするのかしら?」
時崎「え!? あ・・・いや・・・それは・・・」
凪咲「ごめんなさい。ちょっと困らせてしまったわね」
時崎「凪咲さん・・・」

凪咲さんなりの気遣いだろう。俺が落ち込んでても何も良い事はないはずだ。

凪咲「オルゴールの事、私からもよろしくお願いいたします」
時崎「はい! では、部屋に戻って詳しく見てみます」
凪咲「はい!」

自分の部屋に戻り、オルゴールを分解してみる。直方体の小さな木箱のオルゴール。蓋を開けると左半分にオルゴールのメカが入っていると思われるが、外からその様子は見えない。右半分は小物入れになっており、蓋の内側はキャラクターのイラストが描かれているが、これは写真立てのように自分好みのイラストや写真と交換できるよ
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