第三十六幕:太陽を想う虹と
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夜遅く突然風水に来た天美さん。七夏ちゃんの姿を見るなり大きな声で泣き出した。七夏ちゃんは、天美さんを優しく抱きしめている。俺はただその場で何も出来ないままでいた。
凪咲「どうしたの? 心桜さん!?」
心桜「うう・・・」
凪咲「・・・・・」
天美さんの泣き声で凪咲さんも姿を見せるが、七夏ちゃんと天美さんの様子を見て、そのまま居間へと姿を消した。それを見て俺も凪咲さんの後を追うように居間へと移動する。七夏ちゃんや天美さんに声を掛けると思っていた凪咲さんが、二人を見てすぐに移動した理由に何か意味があるはずだ。
凪咲さんに小声で訊いてみる。
時崎「凪咲さん」
凪咲「今は、七夏に任せておけばいいわ」
時崎「何があったのかは分からないけど、心桜さんが落ちつくまでは、大人は黙ってる方がいいと思うの」
結果的に俺も凪咲さんも、天美さんには何も行ってはいないけど、どうしてよいか分からない俺とは全然意味が異なった。
時崎「・・・・・すみません」
凪咲「え!?」
時崎「俺、何も出来なくて・・・」
凪咲「いいのよ」
凪咲さんは、冷静だ。過去にもこのような事があったのかも知れないな。
七夏「お母さん・・・」
しばらくして、七夏ちゃん・・・その後から天美さんも姿を見せる。
凪咲さんは、飲み物を用意してくれた。
天美さんの事が気になり、つい見てしまう。手に何か持っているみたいだけど、あれは何だろう?
心桜「・・・・・」
七夏「柚樹さん・・・」
時崎「え!?」
七夏ちゃんは、天美さんが手にしていた物に手を添えて、俺の方に見せてくれた。
時崎「それは・・・」
小さな木箱・・・宝石箱だろうか? 木箱の角は何かで衝撃を加えたような凹みがあった。
七夏「えっと・・・オルゴール」
時崎「オルゴール?」
七夏「鳴らなくなっちゃったみたいで・・・」
心桜「うぅ・・・」
ようやく、内容が見えてきた。天美さんの泣いていた理由は、このオルゴールだ。だけど、天美さんの様子からすると、よほど大切な物なのだろう。七夏ちゃんが俺に話したい事は分かる。このオルゴールを何とか直せないかという事だろう。
時崎「ちょっと、見せてもらってもいいかな?」
七夏「ここちゃー?」
心桜「・・・うん・・・」
七夏ちゃんから、オルゴールを受け取る。オルゴールは受け取った時点でカラカラと異音がしたので、中の部品が外れてしまったのだと思った。
凪咲「心桜さん。ここに来る事はお家の人に話しているのかしら?」
心桜「・・・・・」
七夏「ここちゃー、今日はもう遅いから、泊まってって☆ お母さん・・・」
凪咲「そうね」
心桜「・・・でも・・・」
天美さんが家に連絡
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