第6章:束の間の期間
第186話「事件の爪痕」
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少なくとも何かしらの理由があると、那美は納得する。
「後は……見たかったのかもね、ここの惨状を」
「……そっか。実際に戦った私達はともかく、一般人は……」
実際に目の当たりにしなければ実感が湧かない。
その事もあって、見に来たのかもしれないと、椿は推測した。
「何はともあれ、私達は出来る事をやるしかないわ」
「……そうだね」
「……まぁ、だからと言って、優輝みたいに頑張らなくてもいいからね?」
そう言って椿は優輝のいる場所へと視線を向ける。
そこには、休憩に入らずに作業を続行しようとした優輝と、そんな優輝をバインドで拘束した優輝の両親がいた。
「えーと、あれは……?」
「効率的になった結果止められてるだけよ。あまり疲れてる訳ではないからって……そんなの周りが止めるに決まってるじゃない」
「あ、あはは……」
アリシア達は苦笑いするしかなかった。
なお、両親の説得もあって優輝もきっちり休む事に決めたようだ。
「土砂崩れに関しては何とかなるわ。少なくとも今日や明日に大雨って事にはならないし、多少の雨なら耐えられるぐらいには草木も根を張ったわ」
「根っこは椿がやったのは分かるけど……天気予報ってそんなんだっけ?」
「私が読んだのよ。多少の自然現象なら予測できるわ」
草……つまり自然に関する神である椿は、同じく自然の類である天候が分かる。
尤も、担当分野ではないため、本人の言う通り予測が精々だが。
「……それにしても……」
「……何かしら?」
「変わったよね、椿。なんというか、姿もだけど、雰囲気っていうか……そこから感じられる力?みたいなのが」
話が切り替わり、雑談代わりに椿の今の姿に触れられる。
今の……と言うより、再召喚してからの椿はずっと京化したままだからだ。
「八将覚醒して、その状態が保たれているのもあるけど……まぁ、ちょっとした出来事があってね……違って見えるのは、当然の事よ」
「出来事?再召喚だけじゃなくて?」
「ええ。……まぁ、簡単に言えば、神降し関係なく神の力を扱えるようになったのよ。八将覚醒が保てているのは、これも要因ではあるかしらね」
椿の本体とのやり取りで、椿は素人目から見ても強くなっているのが分かった。
それこそ、霊力を知らない一般人が見ても、どこか神々しく見える程に。
「八将覚醒って、確か守護者の戦いで……」
「蓮さんと、後一人がやってた事よね……?」
「あら、蓮もやってたのね。八将覚醒っていうのは、簡単に言えば八将神の加護を得て式姫がさらなる力を手に入れる事よ」
「以前ちらっと聞いた事があるような……」
「アリシアに個人特訓を課してい
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