第6章:束の間の期間
第186話「事件の爪痕」
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いえ、それなりに瘴気が残っているわ。とりあえずは、瘴気の影響がない場所を何とかしましょう」
「了解。皆に混ざってくればいいんだよね?」
「ええ。……優輝はもうその行動を起こしているわね……」
次の行動をどうすればいいか指示をする椿。
なお、優輝は感情がない分効率よく動いているため、椿が指示を出した時には既にその行動をしている程早かった。
「どの木をどうするのかはそっちで聞いた方が早いわ。私は私でやる事があるから」
「やる事?」
アリシアが聞き返すと、椿はその場に術式を組み立て座り込みながら答えた。
「……自然の再生よ」
直後、椿の掌から黄緑色の淡い光が地面に広がっていく。
「草の神である私は、神の権能として“豊緑”……つまり、自然を扱う力があるわ。その力を使って、植物を再生させるの」
「神としての力……でも、式姫としての椿って、分霊なんじゃ……」
「それでも力はあるわ。確かに、本体の私ならここら一帯をすぐに緑一杯にできるでしょうけど……まぁ、これでも十分よ」
「……おぉー……」
地面に力が流れ、アリシアもそこから感じられる生命力に感心の声を漏らす。
「自然は、思っているよりも弱くないわ。その気になれば、如何なる悪環境でも生き延びるように適応する。……って言うのは、人間も同じだけどね」
「……ということは、もしかして……?」
「これらは守護者との戦いで生き延びた植物ばかりよ」
アリシアはその事実に驚く。
あれほど苛烈な戦いがあったと言うのに、この一帯の植物は生き延びていたのだ。
「ほら、こっちは大丈夫だから、アリシアも向こうを手伝ってきなさい」
「はーい」
そんなアリシアに、椿は自分の仕事をするように促す。
……そんなこんなで、整地は進んでいき……。
「かやちゃーん、浄化終わったよー」
「わかったわ!」
「疲れたぁ……」
「浄化の支援、助かったわ司」
瘴気の影響がない場所は粗方整地が完了し、瘴気がある地帯も浄化が完了した。
ちなみに、椿が言っていたように司が祈りの力で浄化を支援していたため、本来の予想よりも早く浄化が完了していた。
「とりあえずは一旦休憩に入ってください」
「つ、つっかれた……!」
監視役の人の言葉に、何人かがその場に座り込んで休む。
最初はシンプルだと言っていたはやてなども、疲れ果てていた。
「身体強化がなかったらもっとひどかっただろうね……」
「本来ならまだ私達は中学生なんだから、肉体労働をしたらそりゃ疲れるよ」
御神流のために体力作りをしていたなのはや、特訓のために鍛えていた司
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