第6章:束の間の期間
第186話「事件の爪痕」
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世界の住人の私に至っては、実質宇宙人だもんね」
「うん……だから、どう思われるのか、不安で」
すずかが話し出すよりも早く、アリサとすずかがさっきの言葉の内容について言う。
そう、すずかは自分達を一般人の人が恐れないか不安だったのだ。
「人間にとって、“未知”は興味を引く対象でもあり、恐怖の対象でもある。……椿が、そんな事言ってたね」
「……そっか、すずかの場合、“夜の一族”の事もあるから……」
「人一倍、そう言った感情には敏感。って訳だね」
夜の一族と言う事は、なのは達も既に知っている。
しかし、結局は“すずかと言う人”としてしか接していないため、その事実がどういった効果を齎しているかまでは深く理解していない。
霊術の特訓を一緒にしていたアリサとアリシアだからこそ、今のすずかの懸念に気付く事が出来たのだ。
「……架空の存在と思われていたとはいえ、神話などでは魔法は存在したわ。実際、霊術や魔術などは今も裏世界で残っているって葵さんも言ってたしね」
「あ、そっか。オカルトだと思われてたけど実際に存在していた……ってだけで受け入れられるんだったらすずかもこんな悩まないよね」
「あ、あはは……うん、そうなんだよね……」
過去は存在していたと思われるなら、きっと受け入れられる。
アリシアは一瞬そう考えたが、それはないとすずかを見てその思考を切り捨てた。
「昔のアメリカじゃ、魔女狩りとかもあったしねぇ……。あたしが言いたいのは、そんな地球での魔法のイメージと、こっちの魔法との違いについてよ」
「……そういえば、私達がイメージしてたのに比べて、ミッドチルダとかの魔法って、どこかSFみたいな感じだよね」
「科学寄りなのよ。……そう考えれば、少しは受け入れやすいかもね」
“希望的観測も甚だしいけど”と、アリサは後付けしてそう言った。
実際、明らかに未知でしかないファンタジーな魔法より、科学的な要素もあるミッドチルダの魔法の方が、まだオーバーテクノロジー的扱いで受け入れやすいと思われる。
尤も、それだけでどうにかなるなら、すずかはここまで悩んでいない。
「……覚悟、するしかないよね」
「そうね……」
どうすることもできない。そんな結論にアリサとアリシアは行き着く。
「ごめんね、不安にさせちゃって……」
「いいわよ、別に。何も知らないままよりも、覚悟出来る方がいいもの」
「でも、こうなるとフェイト達は傷ついちゃうよね……」
再び謝るすずかに、気にしないように言うアリサ。
一方で、アリシアは自分達はともかくなのは達を心配していた。
「伝える……には、時間がないわね」
「私達も準備済ませないとだしね」
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