第6章:束の間の期間
第186話「事件の爪痕」
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なぁ。ま、だからこそ片手間で出来るようなものなんやろな」
「そういう事。さぁ、準備をしっかりしておかないと、体力が持たないよ!」
手を叩き、アリシアはそう言って準備を催促する。
既に朝食は食べており、適当な身支度をすれば後はクロノの指示に従ってそれぞれの担当箇所に向かうだけだ。
「………」
「……すずか?どうしたのよ?」
ふと、そこですずかが何か考えている事にアリサが気づく。
「えっと……ううん、何でも……」
「……?いえ、絶対何かある素振りでそう言われても、逆に気になるんだけど……」
誤魔化そうとするすずかだが、アリサはむしろ気になると言う。
「そ、そうだよね……」
「すずかちゃん、ここでは言えない事なの?」
「言えない……と言うか、皆を不安にさせてしまうから……」
さらに気になる言い方だが、それだけ言い出しにくい事だと、なのは達は思う。
「じれったいわね!もうこの際言っちゃいなさいよ!」
「あ、アリサ……さすがにそれは酷だよ……」
アリサはその上で言うように強く催促する。
フェイトはそんなアリサを何とか宥めようとした。
「……そうだね。言わない方が、余計不安だからね」
だが、すずかも言わないよりはマシだと思い、言う事にする。
「杞憂で済めばいいんだけどね、私達って、現地の人達にどう思われてるのかなって……ちょっと、気になっちゃって」
「現地……って事は、京都の人達やろ?恩着せがましい言い方になるけど、一応こっちは助けた立場なんやし、そない不安になる事もないんちゃうの?」
「そ、そうだよね……ごめんね、変な事言い出しちゃって」
はやての言葉で、すずかが切り出した懸念はあっさりと解消される。
……少なくとも、話を聞いたなのは達にとっては。
「……アリサ」
「ええ。わかってるわ」
霊術の特訓で比較的付き合いの深いアリシアとアリサが小声でやり取りを行う。
身支度のために一度解散したタイミングを見計らい、二人はすずかを連れ出した。
「……あそこで誤魔化したのはいい判断よ。あたしも悪かったわ。追及しなければ、あそこで言い出そうとする必要もなかった」
「あ、アリサちゃんは悪くないよ!気にした私が……」
「はいはいストップ。せっかく詳細を聞こうって時に謝罪ばかりじゃ進まないでしょ」
人気のない部屋に入り、アリシアとアリサは改めてすずかに話を聞く事にする。
「現地の人にどう思われてるか……ええ、確かに、考えていなかったわね。本来、あたし達は一般人にとって未知の力を使う存在。……ぶっちゃけてしまえば、その点においてはあの妖達と何も変わらないのよね」
「本来他の次元
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