10.魔法学院(別世界)から魔王と魔女がやってきました。
stage4
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「…………は? 何言ってんだ?」
涙が歪んだ笑みを浮かべている。分かりやすいなぁ、全く。
「誰にも言わないであげるからさ、しっかり答えてくれない?」
腕の力が緩んだ瞬間に上下を反転させる。今は涙が下で、私が上。腕や脚をしっかりと瓦礫に押さえ付け、完全に動けない様にする。
暫く涙は藻掻くが、私が幾ら女だからと言って、逃れられるわけが無かった。
「なぁ、御前は侵略者の仲間なんだろ? …………答えろ」
「…………………………………………さあな」
目の前に鮮血が飛び散った。
◆ ◆ ◆
拠点? に無事帰還。
涙を吹っ飛ばした彼の爆裂魔法の原因なんて知らない。
「あ、琴葉さん。涙さんが先程から見当たらないのですが…………」
「嗚呼、さっき街に出て行ったよ。暫くしたら帰ってくるはずだ」
はず…………はずだ。
先程、消滅を使って色々してやったからな。生き返ってくるかは微妙なところなのだ。
「……………………それより、如何為て貴方は血を被ったみたいになってるんですか」
「ん? 嗚呼、帰り道に遊んでいたら、何時の間にかね」
此れは事実である。
涙を殺した以外に、襲ってくる侵略者共を片っ端から切り刻んでいたら、血の雨が降った様になってしまったのだ。だが、全て正当防衛なので、私は悪くない。
…………っと、レン選手気付いた様だ。目付きが一気に鋭くなった。
流石だな。もう涙を殺したことに気付くなんてねぇ。
鼻が良いのかな? 血の匂いが嗅ぎ分けられる様だし。
「琴葉さん、涙さんは本当に街へ行ったのですか?」
「うん、そうだよ。其れが如何かした?」
一瞬、レンの顔が引き攣る。若干後ろに後退り、唇をキツく締める。
そんな反応して大丈夫なのかな? ねぇ。
「侵略者を殺しただけなんだけど、何か悪かったかな?」
◆ ◆ ◆
それから、涙とレンが行方不明になったと、拠点内が大騒ぎになっていた。相変わらず、此の世界でも私達は組織の上の地位を手に入れていたらしい。
「…………琴葉さん」
「ん? 如何為たの、紫苑」
私の執務室で書類整理をしていた紫苑が、ふと顔を上げ、此方を見る。紫苑は、私がやったことに気付いている様だった。
先程から、突き刺さるような冷たい視線が此方に向けられている。
因みに、此の世界の紫苑は普通に喋る。だが、私の狗の様な演技をしている。
「…………その首の傷、大丈夫ですか?」
紫苑が私の首に貼られた絆創膏を見て言う。涙が仕掛けた短剣に、ワザと刺さってやった時の傷だ。
「ん、大丈夫。大したことじゃないさ」
「かなり深く刃
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