暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
27話 二刀流使いの苦労
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ってしまった。

「まさかキリトに会いに来たのか?」
「やっぱりいるんだね」
「ああ…だが、いろいろあったらしいぞ。さっき部屋を覗きに行ったら蹴飛ばされて追い出された。アスナも一緒にいるぞ」
「分かった、ありがと」

 店の奥には、二階へと続く階段がある。何かあるとキリトはしょっちゅうここに転がり込むのだ。

 階段を昇り、木製の扉をノックする。
「キリト、いる?私だけど」

 すぐに扉があく。

「リア姉、ツカサも」
「やっほ、いろいろあったらしいから来てみたんだ。アスナも…って、泣きそうな顔してどうしたの」


 キリトはともかく、アスナは今にも泣きだしそうな顔だった。溺愛する従弟が、まさかアスナを泣かせたのだろうか。いや、アスナは確かに可哀そうであるが、自分はキリトを叱ることができるだろうか…いや、無理だ。なにせ、可愛い可愛い従弟なのだ。

 この中で一番冷静だったのはツカサだった。ツカサは静かに問うた。

「何があったんだ?」
 







 キリトはベッド、ツカサとアスナは机、そしてツカサのすぐ近くにリアが窓枠に腰を掛け、キリトの話に耳を傾けていた。

 74層のフィールドで軍に会い、追いかけてみたらボスに戦いを挑んでいたこと、守ろうとしたが結局全滅させてしまったこと、フィールドが結晶無効化空間だったこと、無我夢中で二刀流を使ってボスを倒したこと。

 そこまでは大体新聞と一緒の情報だった。…もちろん、二刀流の50連撃というのは嘘八百であるが。問題はそこからだ。アスナがギルドを一時脱退をヒースクリフに頼んだらしい。どうやらこの二人はうまくいくようだと少々喜んだリアであるが、その続きから少なからず驚きを抱いた。

 ヒースクリフがアスナの脱退するために、キリトに会わせてほしいといったらしい。そして、キリトがグランザムに赴いたところ、なんとデュエルを申し込んできた。キリトが勝ったらアスナを連れていける、もし負けたらキリトも血盟騎士団に入団させる、という内容らしいが…

「で、キリトはそのデュエルを受けたんだ」
「ああ」
「もしキリトくんが負けちゃえば、キリトくんもKoBに入らなくちゃいけないんだよ!?そりゃ、キリトくんの二刀流もすごいけど、団長の神聖剣の防御力は異常だし…!リアも何か言ってよ!」

「いや。私はいいと思うよ」
「「え…?」」

 まさかの答えに、キリトとアスナは驚いてリアを見た。キリトもリアにいい反応をされないと思っていたらしい。嫌味もなく、ただ純粋にいいと思っている表情だ。

「キリトが受けたデュエルだからね。私はキリトがそこまで強く思ってるなら何も言わない。キリトがやりたいようにやればいい」

 リアはそういって笑って見せた。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ