27話 二刀流使いの苦労
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ってしまった。
「まさかキリトに会いに来たのか?」
「やっぱりいるんだね」
「ああ…だが、いろいろあったらしいぞ。さっき部屋を覗きに行ったら蹴飛ばされて追い出された。アスナも一緒にいるぞ」
「分かった、ありがと」
店の奥には、二階へと続く階段がある。何かあるとキリトはしょっちゅうここに転がり込むのだ。
階段を昇り、木製の扉をノックする。
「キリト、いる?私だけど」
すぐに扉があく。
「リア姉、ツカサも」
「やっほ、いろいろあったらしいから来てみたんだ。アスナも…って、泣きそうな顔してどうしたの」
キリトはともかく、アスナは今にも泣きだしそうな顔だった。溺愛する従弟が、まさかアスナを泣かせたのだろうか。いや、アスナは確かに可哀そうであるが、自分はキリトを叱ることができるだろうか…いや、無理だ。なにせ、可愛い可愛い従弟なのだ。
この中で一番冷静だったのはツカサだった。ツカサは静かに問うた。
「何があったんだ?」
キリトはベッド、ツカサとアスナは机、そしてツカサのすぐ近くにリアが窓枠に腰を掛け、キリトの話に耳を傾けていた。
74層のフィールドで軍に会い、追いかけてみたらボスに戦いを挑んでいたこと、守ろうとしたが結局全滅させてしまったこと、フィールドが結晶無効化空間だったこと、無我夢中で二刀流を使ってボスを倒したこと。
そこまでは大体新聞と一緒の情報だった。…もちろん、二刀流の50連撃というのは嘘八百であるが。問題はそこからだ。アスナがギルドを一時脱退をヒースクリフに頼んだらしい。どうやらこの二人はうまくいくようだと少々喜んだリアであるが、その続きから少なからず驚きを抱いた。
ヒースクリフがアスナの脱退するために、キリトに会わせてほしいといったらしい。そして、キリトがグランザムに赴いたところ、なんとデュエルを申し込んできた。キリトが勝ったらアスナを連れていける、もし負けたらキリトも血盟騎士団に入団させる、という内容らしいが…
「で、キリトはそのデュエルを受けたんだ」
「ああ」
「もしキリトくんが負けちゃえば、キリトくんもKoBに入らなくちゃいけないんだよ!?そりゃ、キリトくんの二刀流もすごいけど、団長の神聖剣の防御力は異常だし…!リアも何か言ってよ!」
「いや。私はいいと思うよ」
「「え…?」」
まさかの答えに、キリトとアスナは驚いてリアを見た。キリトもリアにいい反応をされないと思っていたらしい。嫌味もなく、ただ純粋にいいと思っている表情だ。
「キリトが受けたデュエルだからね。私はキリトがそこまで強く思ってるなら何も言わない。キリトがやりたいようにやればいい」
リアはそういって笑って見せた。
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