暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜剣と槍のファンタジア〜
27話 二刀流使いの苦労
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 リアの脳裏に、サーシャをはじめとする子供たちが浮かぶ。自分の立場がどうこうではなく、ただ純粋にあの笑顔を守りたいと思う。

「そうだな。…今まで渋ってきたけど、そろそろやらないとまずいな」
「だね…」

 ツカサも同じ事を考えているのだろう、苦い顔をしている。いがぐり頭がフッと頭をよぎり、思わず吐き気がした。慌ててコーヒーで想像ごと飲み込む。

「…明日、仕事一瞬で片付けて、キリトのところ行ってみようか」
「そうだな、どうせあいつのことだから、エギルの店の二階にでも転がり込んでるだろ」


 明日の惨状を思い浮かべ、リアは心の中で手を合わせたのであった。



?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―



「ま、どうせそうなるだろうと思ってたけどね〜」

 リアはぶんぶんと愛剣を回したあと、こ気味良い音を響かせて納刀した。すでに時刻は辺りが一面オレンジに染まる時間だ。

「一瞬で片付けるどころか、いつもの倍近くかかったな」
「こういう日に限ってめんどくさい依頼が来る&リアルラックが死んだほうがましなほど最悪になるんだよね。ねぇツカサ君、もうあきらめてるけど、なんで私たちって、こんなに不運なのかな?」
「行いは悪くないはずなんだけどな」

 ツカサも溜息を洩らした。リアルラックがいつものごとく最低な二人にとって、最高に苦手な依頼、レアアイテム集め。しかも、事情が事情であったため、後回しにすることができず、朝っぱらから、そのレアアイテムを落とすモンスターを狩り続けていたわけだが…まぁ、そのアイテムが出ない。今回のポップ率は0.0001と阿保みたいな低さなのも相まって、こんな時間までかかってしまったのである。


「まあ、そんなことはさておき、エギルの店に行きますか!」
「ああ、そうだな」



?―?―?―?―?―?―?―?―?―?―


「今日も相変わらずぼったくってる?」
「おいおい、弟と同じようなセリフ吐きながら入ってくるなよ」

 カウンターの奥にいる屈強な見た目の、スキンヘッドの男。180pはある身長に加え、その体を包み込むがっちりとした筋肉は、まるでボディービルダーのようだ。しかも、血筋に黒人に血が混じっているらしく、ぱっと見日本人とは見えない。彼こそ、攻略組でもあり、買取屋を営むエギルだ。

「久しぶりだな、エギル」
「おお、ツカサ!元気か」
「ああ、なんとかな」

 がしっと、アームレスリングのように握手を交わす。

 …体格差が恐ろしいと思ってしまうのは必然だろう。ツカサの身長は176p、エギルよりも少し低いぐらいではあるが、何しろ細い。エギルに一瞬で折られてしまいそうではあるが…実は逆なんだよなぁ、とリアは内心笑
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