27話 二刀流使いの苦労
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まで、リアと軽い言い争いは数回あったものの、ここまでひどく喧嘩したことは一度もなかった。そのため、自分もそうだが、リアもどうしたらわからなかっただろう。だからこそ、まるで何もなかったかのようにふるまうことをリアは選んだのだ。
結局、ツカサも何も良い案が見つからなかったため、リアに従うことにした。
―?―?―?―?―?―?―?―?―?―
「ん?」
新聞を読み終え、アイテムストレージにしまった直後だった。目の前に新着メッセージを受け取ったことを示す画面が現れる。
「何かあったのか?」
「メッセが来ただけだよ。誰だろ…」
タップをして開くと、差出人はあまり珍しくはない人物。職業柄かなり密接な関係を持っている、情報屋“鼠”ことアルゴだった。メッセージ内容は、ただ一言「明日発行の新聞らしいぞ。これを見てくれ」。どうやら添付ファイルがあるらしい。タップして開くと、それはリアたちがいつも読んでいる新聞の記事の表紙部分だった。その見出しは…
「…んん゛?」
《75層解放!》《軍の大部隊を全滅させた悪魔》《それを単独撃破した二刀流使いの50連撃》
そこにはちゃんと小さく両手に片手剣を持った黒剣士がソードスキルを繰り出している決定的瞬間の写真が載っていた。
「どうした?」
「…これ見てよ」
画面を可視モードに切り替え、ツカサにも見せる。ツカサはその画面をたっぷり十数秒眺め…
「…キリトのやつ、人生終了だなこれは」
憐れむように言い、ツカサは小さく「ご愁傷様」とつぶやいた。
「私もそう思うよ」
なにせ、血盟騎士団団長ヒースクリフに続くユニークスキル持ちが世間に知れ渡るのだ。明日この新聞が発行されたら、その真偽を確かめたり、ユニークスキル発生条件を問いただす情報屋やプレイヤーの多くが、キリトのもとに押し寄せるだろう。…キリトにとっては大きな試練だと、リアは心の中でキリトにエールを送る。
かく言うリアとツカサもユニークスキル持ちであるが、まだ世間一般には知られていない。なぜひた隠しにするかというと、一番の理由は、ツカサの性格上の問題だ。とにかく人が苦手なツカサは、目立つことは今以上にしたくないのだ。その意思を汲み、リアも人前では決してユニークスキルを使おうとはしない。
ここまで大々的にキリトのことが書かれているのを見ていれば、なおさらさらしたくはないとツカサは思っているだろう。
「キリトのことは置いといて、今回のボスは結構強力だったんだね。キリトが二刀流を出すぐらいに」
「ああ…だが、軍の連中にはいい薬だろう。もうあの組織に攻略できる戦力はない」
「最近の悩みの種だったからね。…でも、これで始まりの街にさらに負荷がかかるかもしれない
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