10.魔法学院(別世界)から魔王と魔女がやってきました。
stage3
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が宙に浮く。僅かな浮遊感の後、半回転して尻餅を付く。
と、飛んできたのは其れだけじゃ無かったようだ。
「…………ッて」
「涙、どっから飛んできたし」
「あ"?」
涙が物凄いスピードで飛んできて、地面を抉って私の横で止まる。
矢張り、戦闘は絶えないらいい。
トンデモナイ世界だよ、こりゃ。
「爆裂魔法好きが多すぎないかな?」
「何言ってんだ。爆裂魔法は最強の攻撃魔法と言われてるんだぞ? まぁ極致級魔法には劣るが、普通のヤツには極致級魔法は使えないからな」
おう……極致級魔法とはなんぞ?
口には出さない。出してはいけない。
「お前は極致級魔法、使えんだよな。じゃねぇと、そんな侵略者に狙われることだってねぇからなぁ」
…………そんな事があるのに、如何為て私が潜入捜査をしていたんだい?
そう問いたくなるが、それも飲み込む。
前の世界で、異世界の私が使っていた《黒波乱舞》や、【消滅】の能力が極致級魔法だ。其処までは既に理解した。その継承者的な存在が少ないことも。
「あのさ、涙と宙ってさ、最近如何?」
我ながら、良い言葉のチョイスだ。
世界に因って、皆性格も少しずつ変わる。例として、涙と宙が付き合っていたり、逆にお互いを若干嫌ってたりとする。
「相変わらず、仲は悪いままだっつーの。彼奴は優しすぎんのが悪ィんだ」
今回は嫌っているパターンらしいな。否、貴重な涙のツンデレ回かもしれない。涙と宙は前まで付き合っていて、「もうそんなに重い愛は要らないのっ!」とかなったかもしれない! ややや、自分の気持ちに素直になれず、告白できない青春してるのかもしれない!! それとも、涙が嫉妬してるとか!!? 私に話すのが恥ずかしいだけとか!!!! お互いの距離感がわか(以下略)
こほん。兎に角、涙が演技している可能性も捨てきれない。警戒してい―――
「…………………………………………何してるの?」
いきなり押し倒された件について。
「否、今日はガードが緩いから、警戒しろってな。直ぐにその首、持ってがれるぞ」
「……どうも」
吹っ飛ばされてきたヤツが何やってんだボケ。何が警戒だ、私。違うことに気を付けとけ、私。
―――気抜いた瞬間殺される。
「…………ねぇ、此の態勢のままで良いから聞いてくれるかな?」
「何だ?」
首を少し横に動かす。すると、首にひんやりとしたモノが"突き刺さる"感覚があり、涙が目を見開いている。
「残念だけど、そう簡単に殺されてあげないからね?」
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