「だから、責任はわたしがとります」
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「なんなのよ、あいつら!」
フォールン・エルフとの戦闘中、突如として乱入してきたプレイヤーたちの魔法攻撃によってHPをなくしたリズたちは、蘇生のあてもなくリズベット武具店へと死に戻りしてきていた。リメインライトでいる時にショウキたちが逃げおおせたらしいことは分かったが、あのプレイヤーたちはなんだとイラついたリズの叫びが店内に響く。
「……おい、これ見てくレ!」
「こいつは……」
とはいえそんなリズの疑問に答えられる者は存在しなかったが、代わりに普段の落ち着きようはどこへやら、アルゴがウィンドウを可視化させてキリトとリズへと見せれば。そこに表示されていたのは、プレミアを討伐する運営からのクエストであり、プレミアの現在位置が表示されていた。
「なによこれ……」
「……多分、運営がプレミアの持つ力に気づいたんだ」
不幸中の幸いか、まだプレミアが無事だということは分かったが、そんな幸いを吹き飛ばすほどの代物だ。こうもなれば、この世界中のプレイヤーたち全てがプレミアを狙って動きだすということで、先のプレイヤーがなんだったのかも得心がいく。ただ問題はどうしてこんなことになっているかだが、キリトが理解したように呟いた。
「ゲーム世界を壊すような力を持ったNPCを、運営が放っとくわけがない」
「それなら運営が削除すればいいんじゃないカ?」
「いや、プレミアはALOのNPCじゃない。今なおブラックボックスのカーディナルのNPCだ。運営には手出しできずに、クエストって形を取ったのかもしれない」
プレミアの巫女としての力を使ったALO崩壊を、キリトたちがフォールン・エルフから防ごうとしたように。運営もまたプレミアからこのゲームを守るために、プレミア討伐クエストを発布したというキリトの予想は、恐らく正しかった。他のプレイヤー集団が相手ならばいくらでも相手しようがあるが、運営そのものが相手となると――という重苦しい空気のなか、キリトが言いにくそうに口を開く。
「……プレミアは、リスポンするのか?」
「そんなのわかるわけないでしょ!?」
「だ、だよな……悪い」
「……こっちこそ、ごめん。でもここにいても仕方ないわ、あたしはプレミアを助けにいく!」
そもそもプレミアが殺されれば他のNPCのように復活するのか、それともプレミアによく似た誰かとなるのか、一度きりの命なのか。それすら試せるわけもなく分からないままで、リズはイライラと髪を掻いて店を飛び出していこうとする。
「待てヨ、リズ」
「待つ余裕があるわけ?」
「ああ。キー坊に何か考えがあるみたいだからナ」
ただしリズが店から飛び出そうとする前に、自身は何やらメニューを高速でタッピングしているアルゴが、落ち着き
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