「だから、責任はわたしがとります」
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だとカイサラは言う。先の戦いでアルゴが言ったことは正しかったらしく、その情報は正しいとアルゴからも注釈が飛ぶ。
「この人数では犬死にするだけだ。もう同胞が減るところを見たくはない……」
秘鍵を使って水面下で動くならともかく、この討伐クエストによって人間と黒エルフが両者ともに動き出した以上、もはやフォールン・エルフに勝ちの目はないと。ならばショウキたちに協力して恩を売り、見返りを求めた方がいいとカイサラは考えたようだ。
「二つ目は……先程、人族の戦士に助けられた。黒衣の二刀の者に」
「キリト……」
ショウキたちがギルバートに助けられて離脱した後、キリトたちはフォールン・エルフを庇って倒されてしまったらしく。そんな知り合いの特徴を言い渡されたキズメルも、小さくその人物の名前を呟いた後、アルゴもまた頷いて。
「人族の者たちに助けられたまま、その者たちを騙し討ちするか? フォールンなどと言われているが、騎士として堕ちた覚えはない」
「……非礼を詫びよう、カイサラ。騎士として、貴君のことは信用したい」
カイサラの必死の説得に騎士として感じ入ることがあったのか、キズメルは剣をしまって一礼する。エンジュ騎士団もフォールンたちも、お互いに不信感を隠してはいない。とはいえ、あくまで騎士としての共闘という不文律を設けたことで、ひとまずはキズメルにカイサラの方針に従ってくれるようだ。
「それでフォー……カイサラ殿の手とは?」
そこからは簡単な話だった。カイサラたちが持っている秘鍵の力で《はじまりの町》に最も近い聖大樹へ転移し、この3層へ集まってきているプレイヤーたちを振り切り、そのままキリトたちと合流すればいい。ショウキは一同に簡単な説明をして、そのまま洞穴の中に先導していく。
「ギルバート。おかげで助かりました。ありがとうございます」
『この力で助けられたのも、貴君らがこの聖樹を助けたからだ。礼はいい』
「今さらなんだが……この人数で転移できるのか?」
「さあな。なにせ、やったことがない」
「エルフの叡知を信じるしかないな」
そうして助けられたギルバートにプレミアが礼を言いつつ、ショウキはずいぶんと大所帯になった一団を見つめつつ。秘鍵を起動しながらも、こんな状況にニヤニヤとむしろ楽しげなカイサラと話していれば、一応はその監視役をしたキズメルも興味深そうに眺めていた。
「しかし失われたエルフの秘鍵……こんなところにあったとは」
「これもこの件が終わればそなたらに返却しよう。我々にはもう必要のないものだ」
「な……」
「なにか手土産がなければ、そなたらも他の騎士団に見せる顔がないだろう?」
聖大樹のみとはいえ自由自在に転移が可能な秘鍵、それをあっ
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